劇場公開日 2018年6月16日

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「オチは賛否両論か?」ALONE アローン M.Kotaroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0オチは賛否両論か?

2019年1月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

地雷を踏んだため52時間も砂漠のど真ん中で耐えなければならないという状況は、古くて新しい“ソリッド・シチュエーション”かもしれない。作品のほぼ全てが「砂漠の中、かつ地雷の上」と極めて限定的なのは、舞台が電話ボックス一つという「フォーン・ブース」に通じるものがある。

精神的にも肉体的にも極限状態に置かれて消耗しきる主人公に、幻覚や猛獣、砂嵐など様々な試練が次から次へと襲いかかるので、シチュエーションは固定化されていても観ていて飽きない。特に父親との確執というトラウマを軸にした設定が物語に“ヒューマン・ドラマ”的な色合いを与えており、その意味で本作はスリラーやサスペンスの要素もはらみつつ、感動的な人間ドラマ作品に仕上がっていると思う。

とは言え、ある意味“衝撃のラスト”は賛否両論かもしれない。個人的にはこの終わり方には賛成できない。何故なら窮地に追い込まれた主人公の苦難をさんざん煽っておきながら、そのハシゴを外すような展開に思えるから。どうせなら片足を失いつつもかろうじて一命をとりとめて生還するというストーリーの方がリアルで良かったのではないか。

たろ☆