「不足也」多十郎殉愛記 MAKOさんの映画レビュー(感想・評価)
不足也
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中島貞夫監督が久々にチャンバラ映画を撮ったので、物凄く楽しみにしていたのだが、結果とても残念な出来。我が生涯で最も愛するチャンバラ映画「徳川家光の乱心 激突」の脚本家だというのに。
観ている途中迄は良かった。
僅かに情を交わしただけの女の為に命を懸けるなんて如何にも義侠的じゃないか。
クライマックスまで殆ど殺陣が無いんだが、なるほどこれはクライマックスまで溜めているんだなと思ったら、いざ後半に差し掛かっても、ん?これはクライマックスなのか?と思ってしまうほど殺陣なんてちょっぴり。どうでもいいシーンでランニングタイム稼いでいるだけにしか見えなかった。
何故こうなってしまったか考えたが、一番大きな要因は時代劇がヒットしなくなった事だろう。
資金が無いから準備期間に時間を掛けられない。これはチャンバラやアクションを撮るうえでかなり致命的。
凝った殺陣を考えるには勿論殺陣師達は色々試行錯誤しなければならないし、チャンバラ経験の無い俳優は練習期間が絶対に必要になる。
主演の高良健吾には失礼だが、練習不足なのがスクリーン越しに伝わって来てしまった。
制作費の差を差し置いても、若手の彼でこうなのだから「無限の住人」の木村拓哉が如何に凄かったか思い知らされますね。
以前書いたがへっぴり腰では達人役は務まらんのですよ。(云っとくが蟹足とへっぴり腰はまるで違うからな)
高良健吾は好きな若手なんで(眼力が良い。時代劇向き)今後も時代劇には出続けて欲しい。勿論、殺陣の修練を積んだうえで。
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