「Love is the only way」パウロ 愛と赦しの物語 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
Love is the only way
ほぼルカとパウロを中心に、原因不明の病に臥せっている娘を持つ監獄の長官マウリティウスの物語。最初から悪人には見えなかったマウリティウス。収監されたパウロに決死の覚悟で面会するルカ。歴史的に暴君と呼ばれたネロ皇帝ですが、彼は登場しない。
ローマの大火によって家族を失った人々。もちろんキリスト教徒だって同じだ。ネロによるでっち上げだということはローマ兵でさえ知る事実でもあり、それだけキリスト教徒が迫害されていた時代。冤罪を訴えるわけでもなく、人の罪を赦すことが背景にあり、中には復讐のためにパウロを救おうとする若者カシウスもいたけど、基本的には運命を主に委ねている様子がうかがえる。
パウロの人生も知りたくなるほど、過去には罪深い行いでキリスト教を迫害した経緯もあったが、回心してイエスの言葉を伝えることが天命と知った。ルカがギリシアの医者ということも知らないほどキリスト教音痴な自分ですが、この二人の面白いほどの運命がわかる作品になっていました。『パッション』ではイエスを演じたジム・カビーゼルでしたが、この作品は全編英語になっているのでわかりやすかったです。
復讐はよくない。愛をもって相手に向かう。こんなキリスト教の基本的なことが守られていれば、キリスト教がメインの国が戦争を起こすわけがない。長い歴史の中で歪められたり、政治利用されたりで随分変わったんだろうなぁ・・・とつくづく思う。
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