「もっと笑いの方向にいってもいいのではと」サクらんぼの恋 Nakashinさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと笑いの方向にいってもいいのではと
宮川大輔演じる主人公の則夫は、45歳のファミレス店長、独身、女性経験なし。アイドルとAV鑑賞が趣味の平凡な男。そんな毎日のところへ桜井ユキ演じる憧れのAV女優のリナが隣のスタジオから転がり込んでくるという夢のような出来事が起こり、則夫は恋をする。
が、奥手のためなかなか進めない。そんなところが好きになるリナ。リナは思春期に両親を事故で亡くし、弟との生活のためにAVで稼ぐ選択をしたが、逆に弟はぐれてしまって不良となっている。
後半は恋が成就するが、その弟に姉は攻撃されてしまう。最後の最後まで則夫は手を出さない。ひたすら、無抵抗主義である。この徹底ぶりはよかったが、物語として反逆するシーンをつくりたくなる。中年男の反逆みたいなものが欲しくなった。
宮川大輔の演技は抑えていて得意の笑いへ引っ張り込む力が抑えられてしまっていたが、桜井ユキは悲劇のヒロイン役としてぴったりはまっている。
コメントする