教誨師のレビュー・感想・評価
全64件中、61~64件目を表示
考えさせられる映画
2時間、死刑囚と教誨師とのやり取りが続き
自分がその立場に立ったような気がして
すごく疲れましたが
いろいろ考えるところのある映画でした。
親に愛されない不幸な生い立ちの人、
勉強する機会を持たなかったために
他人に騙され転落してしまった人、
不幸が重なり何とか耐え忍んで生きてきたが
ある日爆発してしまった気持ちが優しく弱い人、
いろんな死刑囚がいましたが
その人を裁くことなんか誰にできるのだろう。
死刑制度って本当は殺してはいけない人を
殺してしまう恐れがあるのではないだろうかなどと
考えさせられました。
その人なりの事情を持った他人を悔い改めさせるなんて
簡単にはできることではなく
その人を知って、側にいるということが
教誨師にできる救いなのかなと感じました。
残念。
大杉漣さんの初プロデュース&遺作ということで期待して観ましたが、期待外れに終わりました。
死刑囚を演じる6人の俳優のうち、一部の方の演技が過剰でリアリティが無さ過ぎるように感じました。唐突に挿まれる回想シーンでの浅過ぎるエピソードにも興醒め。皮肉にもほぼ素人の小川登さんの演技が死刑囚らしく真に迫っていた。
全体的として内容が散漫で、「なぜ生きるのか」という重く普遍的なテーマに迫り切れていないように思いました。購入したパンフレットによると低予算で時間の少ない中で作られたようなので、仕方なかったのかも知れませんが。
色々と批判的な事を書きましたが大杉漣さんの演技は素晴らしく、それだけでも観る価値のある作品であることは付け加えておきます。大杉さん、どうか安らかに。
黒い穴を見る役目
大杉連さん主演の遺作映画ということもあり、スバル座が意外に混雑していました。
持論ですが映画はざっくりいうと2種類のタイプに分かれると思っています。「わかりやすい娯楽映画」と、「鑑賞後に感情が引きずられる映画」と。これは勿論後者でした。
草彅剛さんが鑑賞後に寝付けなかったと言われているようですが、よく分かります。
鑑賞後は本当に色々と考え、登場人物の感情が交錯してしまって、まだ未消化です。多分数日引きずると思います。
その中で今思っている事は、登場人物の人間臭さが強すぎて、体温や匂いを感じてしまう映画だったなぁ・・・と。キャラクターの体臭を感じた映画は初めてだと思います。(苦笑)
題名につけた言葉は映画の中に出てくる言葉です。何故かこの言葉のシーンと「ライ麦畑で捕まえて」の最後のシーンとがオーバーラップしてしまっているので、それがどうしてかも、しばらく考えてみようと思います。
ゴルゴタの丘
経験半年の教誨師が拘置所で6人の死刑囚と対話する話。
拘置所外のシーンも若干はあるが、概ね拘置所内での死刑囚との対話を代わる代わるみせていく。
教誨師というタイトル・題材だが、キリスト教に傾倒する感じはない。
又、死刑囚達は様々な性格と思想と背景がみえるが、死刑判決に至る事件の詳細な説明はなく、事件そのものに対する振り返りではなく、人としての対話で進行する。
オカルトっぽい描写はちょっと余計に感じたし、物足りない部分もあったけど、なかなか重くそれでいて笑いも交えていて、堅苦しく、難しくなりすぎない理屈っぽさが自分の好みにハマって非常に面白かった。
全64件中、61~64件目を表示