「バラバラになったマイケル・ペーニャ」リンクル・イン・タイム kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0バラバラになったマイケル・ペーニャ

2020年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 5次元ファンタジーは天国のような気分にさせられる。いや、待て。5次元って何だ?『インターステラー』(2014)でもよくわからなかった5次元。その前に4次元を教えてくれ!と言いたいところだったが、これはファンタジー作品。3次元に時間をプラスしただけのような気もしたが、そこまで突っ込むと、次元が低いと言われそうなのでやめておこう。

 NASA科学者の父が行方不明になってから4年。問題児扱いされていたメグ・マリーは学校でもイジメに遭っていたが、賢い弟チャールズとともに不思議体験する。最初に現れたのが、メリー・ポピンズを思わせるミセス・ワッツイット(リース・ウィザースプーン)、名言ばかり口にするミセス・フー(ミンディ・カリング)、さらにでっかい女性ミセス・ウィッチ(オプラ・ウィンフリー)の3人の女性だ。彼女たちの力によって、メグ、チャールズ、そして同級生男子のカルビンが910億光年離れた銀河系の植物惑星へとワープするのだった。

 映像がとにかく綺麗で、ディズニーの本領発揮といったところ。悪役はブラックホールみたいな“IT”だ。光の空間では信じることが大切なのに、この“IT”という暗闇では疑うことが必要らしい。ティム・バートン風の世界と不思議なキャラクターが登場して彼らを惑わし、やがて父親を発見しようとするメグたち。両親がナノ科学者と宇宙科学者という設定も面白いし、相反する二人の科学が愛を生む・・・といったところもいい。

 もとは児童文学なので、5次元という言葉で誤魔化されてしまいますが、時間の概念がトンネルの部分だけしか表現されてなくて残念でした。それならやっぱり『インターステラー』の方が面白いと思うし、それを簡略化した子供向けととらえればいいのかもしれません。“時間のしわ”というタイトルだけは意味深です。

kossy