「SFって作るの難しいんですね」パラレルワールド・ラブストーリー R41さんの映画レビュー(感想・評価)
SFって作るの難しいんですね
タイトルと作品にズレを感じる。
東野圭吾さんの小説の実写化
必ず意味が隠されているはず。
さて、
この作品は「記憶」と「脳科学研究」と「恋愛」を掛け合わせている。
主人公タカシは「変な夢」だと思っていたことが現実にあったのではないかと自分自身の記憶に違和感を覚え始める。
彼の親友トモヒコ 彼は天才的研究者 記憶と願望を混在させ、新しい記憶を作り出す実験に取り組んでいる。
それが何の役に立つのか、本国アメリカでは彼の研究に大きな期待を寄せている。
人の記憶
人の願望
マシンによる記憶の改変
さて、
トモヒコは恋人のマユコの様子とタカシの様子から、二人はお互い好きなのではないかと考える。
やがてそれが間違いないとわかると、タカシの自宅へ行き直接尋ねた。
このことがトモヒコの研究を飛躍的に向上させると同時に、この三角関係の現実をセパレートする決断をする。
トモヒコのチームは、実験中にチームのシノザキがスリープ状態になるミスを犯した。
その改善プログラムを更新したトモヒコは、自ら実験台となった。
そして、
研究を知ってしまったタカシは、自らの記憶、おそらく研究所勤務そのものを削除させたと思われる。
また、会社の都合上マユコも同じようにしたと考える。
その直前、マユコと本音で話し合い、別れる。
彼女はもう一度、何もないところからスタートしようと、どこにでもいるカップルの別れ話のように言う。
トモヒコは無事目覚める。おそらくシノザキも同じように目覚めたのだろう。
そこまでがタカシの申し出た責任だったのだろう。
この後にタカシとマユコの記憶削除が行われたのだろう。
タカシとトモヒコは親友のままだ。
スクランブル交差点 すれ違う男女
電車の恋はすれ違いで終了したが、二人はまた出会ったのだ。
これが「ドミノ効果」なのかもしれない。
しかし、
パラレルワールドの意味がわからない。
タカシがトモヒコの彼女をどうしようもなく好きになってしまう「現実」が存在した。
しかし、トモヒコの依頼でタカシの記憶が改変され、タカシがマユコと付き合っている現実が誕生した。
これは時系列が並行しておらずパラレルワールドにはならないように思う。
二人が「知らない」ままスクランブル交差点で再開する。
付き合い始めることでまた二人に違和感が発生し、結局そこにはトモヒコの存在が出てくるだろう。
これこそ「ドミノ効果」だろうか?
そうなればSF特有の堂々巡りになってしまう。
SFを作るのは相当難しい。