「ストーリーも設定も演技も悪くないのに…」パラレルワールド・ラブストーリー おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリーも設定も演技も悪くないのに…
東野圭吾さんの作品ということで、原作未読ながら勝手に期待値を上げて鑑賞してきました。予告からSFミステリーを想像していましたが、まあそんな感じでそこそこ楽しめました。
ストーリーは、玉森裕太くん演じる崇史が、吉岡里帆さん演じる麻由子に想いを寄せてはいるものの、染谷将太くん演じる智彦との三角関係にあり、自身にある二つの記憶の中で混乱し、しだいにその謎が紐解かれていくという話です。
本作の肝は,なんといっても二つの記憶が存在する謎そのものだと思います。したがって、この謎をどう見せ、どのようなオチをつけるかが重要になってくるわけですが、実際には二つの現実に加えて回想までが入り乱れ、シーンが切り替わるごとに混乱しそうになりました。あえてそうしているのでしょうが、これは効果的に働いているのだろうかと疑問に感じました。
また、ラストのオチもなんだか納得いかないもので、ラブストーリーと言うには憚られるような結末でした。そのため、俳優陣は頑張っていたとは思いますが、ほぼ誰にも共感することができませんでした。
というわけで、ストーリーも設定もおもしろく、演技もなかなかいいのに、それらが今一つ生かされない、もったいない印象の作品でした。
コメントする