「地獄の審判?」審判 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
地獄の審判?
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ある日目覚めると突然虫になっているという「変身」同様、どう考えても逮捕される理由のない平凡な銀行員が犯罪者にされ、ついには処刑人に殺されるお話。カフカの小説は意味や根拠といったものを意図的に排除して話が進んでいくから、裏にあるテーマが何なのかだけが興味の対象。世の中には理不尽なことが余りにも多く、闇に葬り去られてゆく声なき声が少なからずあるでしょうってことですかね・・。
そんな癖のある小説が原作だから、誰が脚色しても闇は闇、難解さはそのままでした。
上智の先生ジョン・ウィリアムズが東京を舞台にしたのが何故なのか、主張も反抗もしないKの姿が今の日本人の生き方に重なると映ったのでしょうか・・。
いずれにしろ、冤罪は亡くならないものの、今の法治国家の設定では物語の進行に無理があろう、突然、目が覚めたら閻魔様の前、謂われなき生前の罪状になすすべもない地獄の審判の方がしっくりきました。
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