劇場公開日 2019年1月19日

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「映画への愛と裏切りが交錯する!ごった煮コメディ。」愛と銃弾 shironさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画への愛と裏切りが交錯する!ごった煮コメディ。

2019年1月17日
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鑑賞方法:試写会

イタリアの映画好きな兄弟が
「僕らの好きな映画を全部ぶっ込んで作りました!ボナペティート!」と言わんばかりの楽しさ。
このハイブリッドはクセになります。

マフィアのドンの妻が映画好きで、随所に映画ワードが出てくるうえに
名曲や名シーンのパロディもww

主人公は、愛の為に組織を裏切り、追われる立場になるのですが
この映画自体が、しょっぱなから観客の想像を裏切ってきます。

えっ?まさか、ここでミュージカル?!
はっ?何故このシーンでそのダンス?!

ポーランドの『ゆれる人魚』といい、ミュージカルがあまり作られない国ならではの、セオリーの斜め上をゆく独自のセンスが際立っています。

歌が上手い!
特に主人公の相棒とマフィアの二番手が、カンツォーネ風に宣戦布告を歌い上げるシーンには、ただただ痺れます。(お二人は歌手だそうです)
それなのに、嗚呼それなのに、歌い始めのドヤ感漂う登場には思わず笑いが…

そう!普通に撮ればカッコイイのに、いわゆる見せ場シーンや感動シーンをことごとく外してくるのです!
しかも、クライマックスの外し方のユルさったら…orz
でも、そのユルさがこれまた、チャーミングでダサかっこいいのだから、すっかりハマってしまったと言うしかないでしょう。

新感覚なのに、どこか懐かしい。
無国籍アクション映画や渡り鳥シリーズなどの、何でもアリで楽しい邦画を彷彿とさせる。
場面転換で何度か流れるファンファーレは、思わず『Gメン75』が始まるのかと思っちゃいましたww

イタリアでは日本のアニメや時代劇が普通にテレビで放映されていたらしいのですが
(『釣りキチ三平』や『子連れ狼』など渋いラインナップも)
マネッティ兄弟監督は、これらで育った世代に違いない!

『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』のガブリエーレ・マイネッティ監督はもちろん
『いつだってやめられる』シリーズのシドニー・シビリア監督も確実にその世代。
これから更に、日本人の感覚にもフィットした面白いイタリア映画が増えるのではないかと期待しています!

追記:『アナと雪の女王』イタリア語版のアナが大好きな家族の為にイタリアからDVDを送ってもらったが、仕様が異なり再生できず…
セレーナ・ロッシさんがヒロイン役で感激でした。

#愛と銃弾

shiron