ナポリの隣人のレビュー・感想・評価
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映画に求めるものを備えた作品
この何年かで一番の出来のヨーロッパ映画だ。
観客の目に映っているものが必ずしも物語の中心ではない演出によって、最初からスクリーンの中へと引き込む力強さ。
人物の心理を簡単にセリフで表現しない深遠な描写。
様々な出来事が重なって映画に触れる機会がめっきり減ってしまっていたこの数年、出会う作品の質もまた、それほど高いとは思えないものがばかりだった。この作品は私が映画に求める語り口に満ち溢れ、久しぶりに映画鑑賞の喜びに浸ることができた。
また、離婚をしてからというもの、子供たちとの会話が極端に少なくなってしまった私自身と、主人公親子の姿が重なった。
いつまでも子供たちへの心配は絶えず、これに耐える辛さに負けそうになることは多い。このことから逃げたい気持ちを抑えても、代わりに苛立ちを隠せなくなる。
世の年寄たちが孫の顔が見たいなどと勝手な希望を口にするその寂しさがだんだんと分かるような歳に自分が差し掛かっていることを思い知らされる。
表には出さないが、きっと子供たちのほうでもこの愚かな親のことで心配をしたり、苛立ちを覚えたりしているのだろう。
タイトルなし
子供たちと確執を抱え
アパートで一人暮らす老人ロレンツォ
越してきた隣人との出会いから
心を開くようになるも
彼らを失う…
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“家族主義の国イタリア”
“人情溢れる下町ナポリ”
そのイメージが覆る
分かり合えずすれ違う家族の心情
繋がりが希薄になった地域社会…
大量の移民が流入している町ナポリ
人々の心の闇を容赦なく描き切り
観る者の心をゆさぶる
───ナポリの隣人公式サイトより
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愛し方を知らない人々
考え方や感じ方は人それぞれ
血の繋がりだけではなく
理解しようとする
寄り添うことが愛なのでは
人生
その人の後ろについてくるもの
深い余韻を残す良作
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原作は#ロレンツォマローネ
「La tentazione di essere felici (幸せであることの誘惑) 」
イタリアの名匠#ジャンニアメリオ
イタリア映画祭2018 (日本) で
「世情」のタイトルで上映された作品
「 tenerezza」
愛情·優しさ·思いやりの意
人生を振り返ると地獄
老弁護士は昔、愛人がいたため妻が早逝したと思っている、娘と息子には疎遠にされている。
隣に引っ越してきた一家と親しくなる。
特に奥さんは気さくで子供たちとも仲良くなる。
ある日、散歩から帰ると・・・。
親子関係も赦しがないと、しんどくなる。
期待はずれでした…
劇場で見逃してしまい残念に思っていたところ、ゲオで見つけ早速借りてみました。
率直に言って、レンタルで充分でした…。
イタリアは家族主義で、家族を大切にするからこそ、実の家族ではなく隣人と心を通わせたところが特別だったのかな、と想像します。
逆に日本は、家族との関係が希薄なことも多いのでそれほど珍しく感じなかったのですが、イタリアではあまりないことなのでしょうね。
淡々と進んでいく割には眠くもならなかったのですが、特に印象にも残らない映画かな。
大人に頼らざるを得ない
事は子ども自身が一番わかっている。
だから、可愛いし言うこと聞く。
思春期過ぎて、大人になったら親をしっかりと一人の人間として見る。その時から親子関係は人間関係に変化していく。いつまでも「親だから」は通用しない。
ロレンツォの中に隣の夫婦、特に夫と似たものを感じた。かなり似たもの同士なのだろう。
Tenderness
なぜ子供は成長するのか?とロレンツォは嘆く。子供が自立したら親は何もしてやれない、いや何もしてはならない、自分で乗り切る事が出来るから。子供と距離を置けば、心配しないで済む、手助けできない心配なら、する必要がないから...。辛いだけだから...。
分かる様で分からない気持ち
少し期待していたこともあり、期待外れ・・・
何故にそこまでお隣さんに入れ込んだのか?
それ程の付き合いでないし、当てにもされていない
事件が起きた原因も解せないまま、ミラノは魔物の町か?
年老いてからの生き方を考えさせられるところがある映画でした
<14>
サスペンス。隣人は、見た。
途中から、お隣さんの危うさが(もう絶対、なんかある!)とドキドキして引き込まれてしまった
ラストにパパが娘の手を握るにしては…弱々しくとも取れるけど、実の娘にする仕草とは違う気もした。日本とナポリの違いなのか。
人と街と
何故かは分からないが、イタリア映画は日本映画に似ている。
テーマ設定や人物配置が自然に入ってくる。
少し暗めの照明が良い。ナポリの街に湿度を感じ、人に馴染む。
葛藤は暗渠を流れ、すれ違いだけが繰り返される。
何も解決された訳ではないが、只、帰って来たのだ。
家族関係の難しさを描く
数年前に旅行したナポリが舞台というだけで観に行ったが、家族の問題を扱ったかなり重たいテーマの映画だった。ヨーロッパ的な作りの映画で、台詞や人の表情、行動、風景や街の雰囲気などを通して、間接的に観客に多くのことを感じさせ、考えさせようとするような映画。結末も、アメリカや韓国の映画のような、ドラマチックだったり、明確なオチみたいなものがあるわけではなく、静かに、しかしじんわりと観る者の心に伝ってくるものがある。普段は韓国映画ばかり観ている私ですが、これはこれで大好きな雰囲気の映画でした。
主要な登場人物である、主役の老人と娘、隣人家族などを演じる俳優さんたちの高い演技力、存在感、印象を強く残す表情など、素晴らしい役者さんたちだと思った。
原題の「La tenerezza」の意味を調べたら「優しさ」でした。人と人が関係を保っていくには、それが家族であっても(むしろ家族であればこそ)、相手の弱さや過去の過ちなども含めて、全てを受け入れる優しさ(受容性)が必要だということが、この映画の伝えたいメッセージだろうか。
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