「最高の素材で、「名作の香り」はする」ペンギン・ハイウェイ 猫シャチさんの映画レビュー(感想・評価)
最高の素材で、「名作の香り」はする
「ジュブナイル+SF+おねショタ」
フックとなる属性を散りばめ、夏の話題作とするべく映像にお金をかけた本作ですが、「そろそろ面白くなるかな?」と期待しているうちに時間だけが過ぎ、結局、面白みが十分伝わらないままに終わってしまいます。
本作は、今となってはいささか型遅れとも言える「セカイ系SF」に分類されるかと思いますが、この手の、「日常の隣にあるSF」を映像化する際のキモはキャラクターです。本作で言えば間違いなく「お姉さん」をいかに魅力的に描けるかが重要なわけで、作り手もそこは分かっているからこその蒼井優の起用なのでしょう。実際、お姉さんの作画は素晴らしい(胸だけじゃない、表情や髪のなびきや仕草すべて)。蒼井優さんの演技も個人的には完璧。にも関わらず、このお姉さんにイマイチ惹かれない。作りての思い入れというか、情念というか、あとひとつ何かが足りない感じです。
センスの良い美しい映像、お姉さんと少年の設定、センス・オブ・ワンダーなラストまで含めて、夏の名作になりえたポテンシャルは感じさせます。2次創作的にこの世界観を自分の中で広げられる人には、楽しめる作品かも知れません。
映画としては3.5ですが、お姉さんのおっぱいに★4つ。
コメントする