劇場公開日 2018年8月17日

「客観的には星3、個人的には星4のセンチメンタルジュブナイル。」ペンギン・ハイウェイ fukunekohantenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0客観的には星3、個人的には星4のセンチメンタルジュブナイル。

2018年8月19日
Androidアプリから投稿

120分の尺としてはヨーロッパ企画との再々タッグもあり大方原作に丁寧に忠実。
原作ファンも裏切られる事はないと思われる。
個人的に、当時原作を読んで思い描いた街並み、裏道、森、野原と近くそれだけで5億点。

人によっては、よく分からないってのも納得。
だって、当のお姉さんも良く分かってないんだから、分からないで良いかと。
自分は森見作品は半数位ですが読んでいて。
今作は太陽の塔、四畳半、夜は短し等のポンコツ大学生の作品とは違い、
話の大筋は理解したが、明確な答えを出さずに終わり「アレは何だったんだろう?」とふと帰り道に空を見上げて思いを巡らすパターンの作品だと思ってます。
そんな説明をすること自体野暮だか、そこが魅力の一つだと。
後は青山少年と共に時間をかけ仮説・研究するのみです。
それが駄目と言われたら乱暴だがもう好みの問題かもしれない。

でも、こうしている間にも庭をベランダをペンギンが歩いているかも。
それを紙一重で見逃しているだけかも。
ペンギンだけじゃ無く狸が人に化けて普通に歩いているかも。
そう考えると世界がちとオモチロくなる。
そんな膨らみを思わせてくれる。

理屈っぽい少年のひと夏の甘酸っぱくチョットばかしの成長を見守りながら、
青山少年が青年になり理屈をこじらせて四畳半に迷い込まぬ事を切に願う一作。

fukunekohanten