劇場公開日 2019年1月12日

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「原作を読みます」未来を乗り換えた男 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0原作を読みます

2021年8月31日
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鑑賞方法:映画館

「水を抱く女」ではウンディーネがうまく美しく現代に置きかえられていたがこの作品は粗かった。

効果的だったのは冒頭から始まる耳障りなパトカーや救急車のサイレンの音。耳の中で鳴り止まずそれが不穏な空気に包まれた時代と場所を作り上げていた。時代は現代のようで現代でないいつかー作家の原稿がタイプライター打ちだった。情報統制でインターネット含めあらゆる通信手段が奪われているのだろうか?ゲオルクが関わる人が次々と死んだり行方知れずになる。皆、ゲオルク側の人達ー亡命者や不法滞在者。

ナレーションはあまりいい声でなく音声も大きすぎた。その上語り手設定が良くなかった。最初はゲオルクが通うマルセイユのレストランの店主が語り手だった。それが途中から全知の語り手になり今度はゲオルクの視点になったかと思うと最後はまた店主の視点。語り手をこんな風に変える必然性を感じず居心地が悪かった。

いつもパンプスで小走りのマリーは迷子犬を探しているみたいで夫を探しているようには見えなかった。ゲオルク役のロゴフスキは相変わらず優しく顔を見るだけで安心するが今作では彼の良さが無駄使いされているような気がした。ロゴフスキがフランス語?彼にはドイツ語だけ話してもらいたかった。

ゼーガースの原作を読むことにする!そう思わせてくれたのでこの評価。でなければもっと低いです。

talisman
グレシャムの法則さんのコメント
2021年8月31日

映画本体から受け取るものよりも他の何かを得たり、思いついた。
と、勝手に同士の気分で喜んでます。

グレシャムの法則