芳華 Youthのレビュー・感想・評価
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ギリギリで適温に保たれる情緒の温度
中国の文化革命が終焉を迎える頃、同志たちを歌や踊りで勇気づけた文化工作団、略して文工団に所属していた若者たちの恋愛模様が描かれる。彼らは皆純粋で明るいけれど、時代のうねりは間もなくすべてを飲み込んでいく。時の流れの中に捨て去った貴重な時間への尽きぬ思いと、それでも変わらない人の心を描いて、この映画は中国で記録的大ヒット。つまり、今も多くの中国人は文革時代のピュアで平等だった頃に一種の憧れを抱いているのかもしれない。それが分かる貴重な映画であると同時に、ノスタルジーを描く上で欠かせない情緒の温度が高くなりすぎず、ギリギリで適温に保たれた希有な作品である。
還暦過ぎたらもっと染みるかも
激動の時代に青春時代を送った 人々の群像劇。 若く不器用でまばゆい時間は 当時辛かったことでさえ振り返ると美しかった。 ジワリと染みわたるような 青春への感傷がそこにあって、 その後も幸せな状態にあるのも ホッとできた終わり。 とはいえ若くて美しいのがすべて素晴らしいって 風合いのナレーションには 現代の日本のポリコレとは合わないよなあと 感じる点もある。 昔を懐かしむテイストなので 還暦を過ぎてから観るほうが より一層理解が深いのではなかろうか。 若い時に観ても、へえ。。。程度で過ぎるように思う。
テレサ・テン
今は閉館中の恵比寿ガーデンシネマにはるばる出向いてみたうちの一本。 映像のきれいな映画でした。女優さんたちのスレンダーなスタイルや踊りが印象的でした。どうせ当局に検閲された中国のアイドル俳優たちを起用した文化大革命を正当化する宣伝映画だと思い、憎まれ口を叩くのも癪なので、レビューはパスしていました。 それが、昨晩、NHKの映像の世紀バタフライエフェクトで【我が心のテレサ・テン】をやっていて、この映画が説明に使われていました。組織された芸能部隊の若者が隠れてテレサ・テンのカセットテープを聴く場面でした。それで、胸きゅんして、意欲がムクムクしちゃいました。 我が心の歌姫。テレサ・テン。 42才の若さでフィリピンのホテルで謎の死をとげたテレサ・テン。 歌手なのに死因が喘息なんて、信じられませんでしたね。 あの時代、外国の文化に触れたくて仕方がない大陸の中国人はオーストラリアのラジオ局がわざと流す短波放送を隠れて聴いたり、外国のテレサ・テンのカセットテープを内密に手入れ、隠れて聴いていたのです。テレサ・テンの歌は全世界の中国語がわからないチャイナタウンの華僑、華人の心の琴線にもふれました。ちなみに、若いときから共産党幹部だった、しゅ~きんぺ~もテレサのカセットテープ隠れて聴いた派らしいです。鄭小平は昼間の鄭さん。夜の鄭さんはテレサ・テン(鄭麗君)と言われるほど、絶大な影響力。政府のプロパガンダに利用され、弾劾もされたテレサ・テン。紹介された映像ではロードローラーでカセットテープやCDが壊されていました。 芳華でも紹介されたその曲は つぐないではありません。 時の流れに身をまかせでもありません。 1977年のテレサ24歳のときの 「月が私の心を映している」 (月亮代表我的心) です。 毛沢東の文化大革命(1966~1977)で台湾に逃げてきた人の話は親づてに聞いたことがありましたが、こんなにひどかったとは。バブルを迎えた中国人が失った仏像などの文化遺産を買い漁る理由がよくわかりました。中越戦争は中国がベトナムに行った侵略戦争で、この映画の舞台でした。
なんか...薄い
それぞれのストーリーが端的で、内容がうすく感じて感情移入できなかった。。 最後の二人のシーンも良いシーンなんだろうけど、二人が結婚はしないがパートナーになったんだ、へえ〜て感じ。 デインディンのこと好きだったのにディンディンが太って別人になった姿みて、好きじゃなくなったってこと? 最後までディンディン追いかけたらよかったのに。 そのディンディンはなんで豪州行ったのかも謎だし。 一人一人のストーリーが雑というか、全く心に残らなかった。 映画館で1800円払わなくて良かったってくらいの映画
青春時代の記憶
本当は中国が日本の戦後と同じように貧しかった時代の話ですが 人も街も建物の内部も美化されていました。 若さというのは それだけできれいにかがやいて感じられ 記憶の中での青春時代が 美しい思い出になっているからでしょうか。 集団生活の中で起こる 個人に対するいじめや通報,懲罰主義に対する 怒りや理不尽さもあまり感じられませんでしたが 現在よりも人権が大切にされていなかった時代でもあるし 軍隊の中でのことなので 当然のことのように描かれているのかなあと思いました。 戦闘や野戦病院でのシーンは生々しく 自分が戦争に行っている気がして 怖かったです。
ギリギリで昼ドラ判定
女子群は素敵に目の保養になったけれど、いろいろと盛り込みすぎて、映画としての焦点がボケ気味か。 頑張ってクールな路線を狙っているのはわかるけど、やすいテレビドラマ臭が消しきれてないのが残念。
二本立て一本目。 軍を慰問する文工団。まるで学校みたいだ。女子はみ...
二本立て一本目。 軍を慰問する文工団。まるで学校みたいだ。女子はみんなスタイル抜群。着替えのシーン、まるで女子更衣室を覗き見してるようでドキドキ。美女たちの百花繚乱を期待。が、なんだ、いじめやらなんやら。 後半は一転、戦争映画に。中国って80年代まで戦争してたのね。自衛戦争とか言ってるが絶対違うと思う。トラウマ抱えた人が多いのが中国での大ヒットにつながってると確信。 恋模様のすれ違いが青春。みんな綺麗なのだが、ぴったりくるタイプがいなかったのが今ひとつ乗れなかった理由なのかも。
上質な青春映画だか、ロンダリングされたところも。
1976年文革後の人民解放軍の文工団を舞台にした青春群像劇。文工団は慰問舞踊楽団みたいなもの。 男女混合で訓練と鍛錬に明け暮れながらの共同生活で、友情恋愛を経てある者は、戦場に行き地獄の様な体験する。 とても良く出来た映画だか、中国共産党が知られたくない都合の悪い部分を上手くロンダリングしている印象は強い。 例えば、ベトナムとの中越戦争を描いているが、戦場のみに限定されていて大局は、ボカしている。 実際にはベトナム軍にボコボコにされた負け戦なのに。 当然なのか?毛沢東や政策や文革への批判的な部分は皆無だ。 軍隊生活も訓練も美しくて清潔感に溢れた描写が殆どで、軍服はシワ一つなく新品みたいなものを皆着ている。 兵器も車両も博物館の展示物みたいピカピカ。 ただ、製作者の反骨精神を感じるのは、戦場の悲惨な描写が凄まじくて「ランボー4」みたいなリアル人体破壊描写は連続して起こる。 これ見て戦争したがる奴は、危険でアタマおかしい。 90年代の頃の街にいる治安維持部隊もワイロ上等な腐敗した組織として描かれている。 あくまでも、地位も権力も無い人民の目線が貫かれているので、そこには感動できるが、そこからの解読も必要だと思います。 映画や娯楽に、政治批判を持ち込むのが、嫌いな人もいると思いますが、映画は元々、宣伝や扇動や告発に利用されてきた歴史があるので、そこは外せないと考えてます。
中国軍部「文芸工作団」内の青春群像。
いつの世も、どんな環境でも、多感な若者の男女が集まれば、恋が芽生えるもの。それは中国軍部においても同じだった。それは、彼らが情緒を表現する役割を担っているからこそであったからなのかも知れない。 ただ、中国の軍事政策に強く抵抗を覚えるチベットびいきの身としては、ベトナム侵攻の中越戦争をあたかも中国が正義であるかのように描いている時点で受け入れられなかった。あの終戦の迎え方で、すくなくとも勝ち戦とはとらえていなかったようだが。
美しい青春物語
美しかった。 中国の激動の時代、その中で青春を謳歌する若者たち。 文工団での規律の厳しい中、普通に青春し恋愛し、純粋な上に分かれ。 とにかく美しい人たち、映像、音楽がしみる。 戦争の場面展開はすごい。ものすごい。興奮した。 美しさだけでなく激しさも表現していて。 そして年を取る。 長い年月を詰め込んでいるけど。 エンディングでは涙。 いい映画だ。
「文化革命の中に生きた青春群像劇」ではなく「時代変化についていかれない不器用な2人の恋物語」
携帯電話が世界中にいきわたり、”すれ違い””想いをよせる”恋がなくなってしまった現代に 素朴な恋を魅せてくれる大陸国映画 注目すべきはテレサテンさんの歌う曲を肯定し、映画で重要な役割さえ与えている事です。 傷つきながらも、新たな変化に置いていかれる主人公シャオピンが月明かりの下で ひとり踊る姿は悲しい。 それは鄧小平書記長の「改革開放路線」への移行に、寂しさを感じているシャオガン監督そのものだった。 都会の垢に汚れた私が観ていて、自分が恥ずかしくなるくらい美しいプールのシーンや 室内にある布の魅せ方等に代表される照明や背景色では 繊細な色合いまで気を配っている事が感じられ その美しさの中に、この映画の中に秘められたメッセージの全てが詰められている。 主題歌や美しい各所の演出シーンは他映画で見覚えがある気もするが それでも美しく仕上げらたカメラワークは観ている者を飽きさせない作りになっており 監督の力量は素晴らしい。 この映画を観たら、いかにも大陸国映画「サンザシの樹の下で(監督チャン・イーモ)と見比べてみたくなります。
更けゆく秋の夜~♪と、つい口ずさんでしまう
4DXで見たかったなどと書くと、「お前は汗フェチか!」と罵声を浴びせられるかもしれませんが、やはりタイトルが示す芳しさを感じてみたかった。主人公の女の子シャオピンの実家では水道代がかさむから風呂にはなかなか入れないほどで、シャワーが無料で使えると聞いてすっごく喜んでいた。父が解放されたのよ!などとスイツの言う言葉に、自分の父親が心配になるシャオピンは解放されることを信じて軍服の写真を送り、手紙を書く・・・ 文化大革命、周恩来、毛沢東、テレサテン、激動の時代中国におけるキーワードがとても勉強になる映画でもありました。軍の慰問なんかに出演する文工団。彼女たちの創作ダンスの美しさに魅了され、どんな文化の違いもあれ、青春してるな~と、共感するところが多い。 甘酸っぱい青春時代、それがぶっ飛んでしまうくらいの戦争シーンの残酷さ。PG12なんだからどこかにエッチなシーンがあるに違いないという甘い期待はもろくも崩れ去りました。あ、ここだったのね。帰宅してから思わず中越戦争をググりました。 冒頭から5つも6つも制作会社のロゴが登場する中、人民解放軍なんちゃらとかいうロゴが出たため、反戦的、体制批判的な描写は一切ない、多分。ただただ激動の中国を過ごした若者たち、そして文工団解散後の彼ら。資本主義打倒と言ってた時代から、現代の資本主義どっぷりで経済大国ともなった中国にありながら、時代から取り残されたような二人の哀愁漂う姿に思わず涙した。 シャオピンよりもスイツが好き。ちょっと夏菜似のアコーディオンの子も気になったので、思わずパンフ購入。びっくり、封筒の中に製本してないバラバラ写真のパンフだった!どういう意味?
青春映画と割り切れば
大前提として毛沢東の中国共産党の時代の軍隊の話だから、ベトナムとの戦争もどちらに義があるの?といったつっこみをしなければ。 架空の国の青春映画と考えれば素晴らしい。登場人物の関係が切ないし、画面もきれい音楽もきゅんとくる。女優さんたちのなんと綺麗なこと。解散後のエピソードも辛くて甘酸っぱい。
なんかとっても良かった
青春映画 だけど中国の軍隊と言う特殊な環境の中での若者たちの思いが詰まっている 軍隊でも特殊な部署である歌劇団の中での恋バナと思いきや戦闘シーンもリアルで 人生の終焉まで人間性が描かれているのが感動的だった 終始目が離せず、美しく、とてもよかった 観た後も良かったのは久しぶり
良い映画
映像が美しかったです。音楽は良いんですが、やや感傷的に過ぎるかなと思いました。 肝心のストーリーですが、男女1組の恋愛話かなと思ってたら、3組ほどの恋話が並行してちょっと落ち着かなかった…と言うよりも、名前と顔を覚える前に物語が進んで行って、やや置いてきぼり感が…(笑) それと、音楽舞踏団(慰問団)の中だけで物語は進行せず、主人公たちは時代に翻弄され、あっちやこっちに飛ばされてしまい、また時代も移り変わりで…なんだか落ち着かない(笑) 正直、物語の登場人物たちに今ひとつ感情移入する間が無かった… 彼ら・彼女たちの恋愛の所作や表情を、もっと細やかに描けば良かったのにと思う…つまり、心理描写において訴えて来るものが無かったのかな…(笑) ラストシーンもやや唐突感あり…まあ、そういう事なんだろうけども…(笑)
後からグッとくる。
2時間30分と上映時間が長目ですが、トイレに行きたくならなければ、時間は気にならないと思います。 激動の時代を生きた若者達とその後を描いています。 予告編ではたしか、戦争のシーンがなっかった記憶…勝手に慰問の武芸団の辛い訓練の話かと思ってたら、中盤はガッツリ戦争モノだった。 想いを寄せる人は、また違う人に想いを寄せている。青春の構図そのものだけど、一人の人を想い続ければ、願いが叶うこともあるのかな? 何故か、映画を観てる最中やエンドロールではなくて、映画館の帰り道、自転車を漕ぎながら号泣してしまった。
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