「夢を見ることの象徴」ダンボ 奏枝さんの映画レビュー(感想・評価)
夢を見ることの象徴
象が空を飛ぶ。動物の中で一番重たい、飛ぶわけないけど飛ぶんですよね。耳が大きくて、まだ身体が小さいから。ネズミが映画スターで魔法使いだったり、食器や家具が実は人間だったり、雪だるまは夏に憧れていたり、蛍が星に恋をしていたり…。
その中でも、ダンボは一番"不可能"のイメージを持っていて、絶対できないことを人に馬鹿にされ続けた力でできるようになる。
アニメで、主役が動物達だからできる、夢のある物語だと思います。
だから、本当はできれば実写にしないでほしかった。
この映画の一番残念なところは、ダンボが空を飛ぶという事実に、製作者が特別な思いを乗せていないこと。
だって、飛ぶんですよ?象が。最後の最後まで傍にいてくれたネズミをのせて、鼻に羽根を持って。お母さんと会いたいって思いだけで。
女の子の科学の話も、父親の退役軍人の話も、ドリームランドの話もいらなかった。
なんか酷評してるみたいになってますが、よくできた映画でした。でも全ての設定や要素に1/4くらいの労力を振り分けちゃってて、私が一番好きで一番大切にしてほしかったところが全然表現されてなかっただけです。
サーカスのシーンを多めに取ったのは、正直「逃げたな」と思ってしまいました。烏と一緒に練習しようよ。羽根だってそこからきてるんだから…。
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