「静物と女性の境界」スティルライフオブメモリーズ Kさんの映画レビュー(感想・評価)
静物と女性の境界
個人的な視点だが、私には恋人の存在も生まれてくる娘も必要なく、ただ被写体の女性とその母とカメラマンだけでよかった。生と死のコントラストが必要なら何も若い者や生まれてくる者でなくていい、被写体の女性の生があればいいではないか、と思ったが、それは単に私の好みに過ぎず、おそらく、被写体の女性を生の対象としようとすると、避けようもなく女性の性が前面に出てきてしまうから、そこを中性的に押しとどめておくには、被写体の女性は静物と女性の境界に存在しなければならなかったのだろうと、頭では納得した。私の理解できない深淵を描いていたのだろう。
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