「陽炎のような映画」スティルライフオブメモリーズ sandalwoodさんの映画レビュー(感想・評価)
陽炎のような映画
安藤くん見たさに大阪アジアン映画祭で初めて観て、また昨日ケイズシネマで観賞しました。
こんな映画はいままで観たことがない、こういう映画体験は生まれて初めてかも、としかいいようがない。
観るたびに印象が変わるんですよ。二回目はひとつひとつシーンに「こういうことだったのか」という発見があり、二度目は前回聴こえなかった音が、画面に映らない音のざわめきが聞こえた。
それに二回目は映画の途中で物語の時間が消えて、主人公たち(写真家と図書館司書)がこの世にいるのか、あの世にいるのかわからなくなりました。「骨を砕くような音」と安藤くんが言っていたシャッターの音が響くたびに二人の心の迷いが深まり、此岸と彼岸の境がだんだん透明になっていきました。
凄絶といっていいほど美しい映像。
男と女、性の儚さをまるで陽炎のように描いた映画。
最近ワイルドな役柄が多かった安藤くんですが、彼が持ってるスピリチュアルな本質がこの映画には写しだされています。
途中で終わってほしくない、ずっと続いてほしいと思った初めての映画。
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