「ブライアンがドロップアウトするから面白い」シークレット・ルーム とえさんの映画レビュー(感想・評価)
ブライアンがドロップアウトするから面白い
詰めの甘さはあるけれど、それなりに楽しめた映画だった
弁護士のハワードが、電車が停電して帰りが遅くなってしまい、妻が浮気を疑うのでは…と考えつつ、ガレージの2階から家族のようすを覗いているうちに寝てしまい、そのまま出るに出られず、仕事にも行かず、そこで暮らし始めてしまう
主演はドラマシリーズ「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストン
妻は、ジェニファー・ガーナーが演じている
面白いなと思ったのは、「ブレイキング・バッド」では、高校教師をドロップアウトして、ドラッグ界の王にまでなったブライアンが、
こちらでも、やはり弁護士をドロップアウトして、ゴミ箱を漁って暮らすホームレス(寝る場所はあるけど)に成り下がるところ
そして、やはり「ブレイキング・バッド」のウォルター同様に、こちらのハワードもひたすら悪態をついている
「ブレイキング・バッド」では、ひたすら金を稼ぎ続ける金の亡者だったブライアンが、ここでは、金を全て放棄する
そんな「ブレイキング・バッド」との相違点を見比べつつ楽しんだ
きっと誰もが「全てを投げ出して、誰も知ってる人がいないところへ行きたい」と思うことがあるはず
この映画の主人公ハワードは、その願いを叶えつつも、どこにも行かずに、自宅のガレージでひっそりと自分がいなくなったあとの家族のようすを観察する
そして、金も、仕事も、家族も放棄したとき、彼の心に残ったものは何か
高熱を出し、一人では生きていけないことを悟り
神の慈悲によって生き延びることができたのだと感じたハワード
当たり前のようにそこにあることが、いかに大切なことなのかに気づく
夫がいなくなって、最初はかなり同様し、警察や実家に相談していた奥さんも、数日でいつもの生活を取り戻していくところには、「仲よさそうに見える夫婦の現実と残酷さ」を感じた
けれど
「その先が知りたいのに…」というところで終わっていて、不完全燃焼な気分が残ったのが、残念なところ
その後の結果が知りたかったのにな