パドマーワト 女神の誕生のレビュー・感想・評価
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正史ではないけど、モヤモヤする
見終わるまで知らなかったけど、インドでは製作段階から様々な噂が流れ、公開が危ぶまれる大騒ぎ。インド映画にしては珍しく、本編前に色々と注釈(宗教関連とか、動物の扱いとか)が入っていて「時代だなぁ」みたいに思っていたのだけど、そういう騒ぎがあったせいだったか。
肝心の本編は壮大なスケールで描かれる歴史絵巻だったんだけど、確かに衣装や美術は凄くこだわっていて美しかったんだけど、イマイチ乗ってこない映画だった。
特にラージプート王とパドマーワティの恋愛パート。なんかあっさりし過ぎてない?
偶然の出逢いで恋に落ちる二人の、愛が高まりあうダンスシーンが、何故ないのか!
わりと真面目に日本公開版だけ「長過ぎるから」という意味不明な理由で切られてるんじゃないかと思ってる。
二人の愛を見せつけて貰えなかったお陰で、物語の波に乗れなかったのよね…。
パドマーワティの美しさを聞きつけ、なりふり構わず我が物にしようとするアラーウッディーンと、彼の忠臣カーフールには歌もダンスもある。
何故だ!何故なんだ!
ラージプート族の伝説が元になっていて、古い時代の物語だから仕方ないのだけど、物語全体も「今そんな話?」と感じてしまうのも残念なポイント。伝説をベースに、笑っちゃうくらい大袈裟に、あり得ないようなアクションとパワーで物語を引っ張っていってくれれば、見応えも違うものになったように思う。
最後に。
これは余計なことかも知れないけど、インドでは「サティ」という寡婦が夫の火葬で焼身自殺をする慣習がある。もちろん今は違法だし、その慣習を止めようと、それこそ16世紀のアクバル帝の頃から努力してきた。
生き長らえてアウト・カーストとして生きるより、貞淑を讃えられて死ぬ方がいい、と進んで身を焼かれる女性もいれば、無理やり炎の中に投げ込まれる女性もいた。
今なお社会の中で制度や差別や慣習や伝統にとらわれ、苦しい思いをしているインドの女性たちにとって、この映画が与える影響はマイナスなのではないか?という疑問を感じる。
いくら本編開始前に注意を入れても、サティを意識せずにはいられないだろう。
そんなことも、イマイチ乗れない要因なのかもしれない。
この女神、覚悟ガンギマリ🔥! これ、美談として描いていいのか…?
1540年に書かれた叙事詩『パドマーワト』を映像化。
13世紀末〜14世紀初頭のインド北部を舞台に、メーワール王国とハルジー朝の戦争と、図らずもその争いの原因となってしまったメーワール王妃パドマーワティの運命が描かれた歴史劇。
全く知らない叙事詩、そして全く知らない13〜14世紀におけるインドの歴史。
全く知らないことづくしで、果たして楽しめるんかいな?と思っていましたが、蓋を開けてみればあらビックリ!とっても楽しめました♪
砂漠の王国が舞台だし、全く馴染みのない文化圏の物語だし、なんか『スターウォーズ』を観ているかのような感覚。これほとんどSF映画っすわ。
本作の1番の見どころは、何といっても豪華絢爛な衣装!
美しい刺繍の施されたインド装束、勇ましくも優美な甲冑など、今まで見たこともないようなオリエンタルな衣装の数々に圧倒されること間違いなし!
この美しい装束を身に纏ったインドの美女たち、この世の物とは思えない美しさであります💕✨
雄大な砂漠や荘厳で威風堂々たる王宮など、ロケーションも抜群!
ハルジー朝の騎馬隊が砂漠を駆け抜けるシーンなど、もうそれだけで胸がいっぱいになるほどのエモーションに満ちています。
優雅な衣装、華やかに踊る美女、マッチョな肉体など、ビジュアル的なショックはハリウッド映画に一歩も劣らない…というか並のハリウッド映画を遥かに凌駕する素晴らしさでありますっ!
イスラム教を悪、ヒンドゥー教を正義として描いているということで、一部から大きな非難を浴びたという本作。
確かに、メーワール王国の王ラタン・シンは清廉潔白な人物で、ハルジー朝のスルターン・アラーウッディーンは残虐な人物として描かれている。
とはいえ、本作を観て一番印象に残る人物は誰かと言われれば、それはもう間違いなくアラーウッディーン様である。
残忍な性格と他を圧倒的する戦闘力を有し、「英雄色を好む」を地で行く、正に覇王と呼ぶに相応しい人物。
とはいえ、ただただ粗野なだけでなく、音楽や詩を好むという風流人であり、何よりダンスと歌がキレッキレである🎶🕺
兵の指揮を操る術にも長けているし、伊達に「第二のアレキサンダー大王」と呼ばれていない男。
清廉だがそれゆえに敵の手に落ちてしまうラタン・シンよりも、強くて魅力的なアラーウッディーン様について行きたくなるのが人情というものではないでしょうか?
アラーウッディーンの腹心、カーフールもめちゃくちゃ良い味出してる!
奴隷出身という身の上、そしてアラーウッディーンに叶わぬ恋心を抱いているという切なさ…。
男という性別ゆえ、アラーウッディーンからの寵愛は受けられないことを分かりながらも彼に尽くすカーフールと、カーフールの気持ちを知りながらも信頼できる家臣として彼を側に置き続けるアラーウッディーン。
この2人の関係性に、BL的な萌えを感じずにはいられません💖
ハルジー朝のキャラに対して、メーワール国王ラタン・シンはちょいキャラ薄め。キャラは薄いけど良い人ではある。
しかし、彼の妃にしてこの映画の主人公パドマーワティはなんか怖い。というかめっちゃ怖い…。
初登場時から何考えているかわからなかったけど、結局最後まで何考えているのかよくわからん。
その上覚悟だけはガンギマっているから尚更怖い!
「首持ってこい!」とか「ハルジー朝の王宮は血祭りじゃ!」とか、とにかく血の気が多い。慈愛と殺戮、両方の面を持つのがヒンドゥー教の女神様だっ、て事なんだろうけど、これならラタン・シンよりもアラーウッディーン様の方が彼女にはお似合いなんじゃ…?
とまぁ血の気が多いだけならまだ良いんだけど、最終的には「女は全員殉死!!」とか言い出す。おい、正気か!?
そこまではディズニーの実写化みたいな、割と牧歌的な雰囲気だったのにクライマックスだけは地獄みたいな展開。
火に飛び込もうとするパドマーワティに、「死んだらあかーーーん!!😭」みたいな表情で駆け寄るアラーウッディーン様が印象的。やっぱこの映画アラーウッディーン様の映画でしょ。
「この映画は尊厳殉死を推奨する作品ではありません」という、衝撃的すぎる注意書きが冒頭に表示されて面食らったが、なるほどこういうことだったのね。
ヒンドゥー教には「サティー」という慣行がある。
これは「寡婦は火に飛び込んで殉死すべし」という信じがたいものだが、数百年昔のヒンドゥー教ではこれが美徳とされていたのだ。
流石に現代ではこの慣行は禁止されているが、いまだに激しい男尊女卑が残るインドにおいて、このエンディングはやっぱり問題あると思う。
なんか感動的に「これはアラーウッディーンの敗北〜♪」みたいな歌がバックで流れていたけど、いやいやあんたら妊婦も女児もまとめて燃やし尽くしてますやん。これが勝利なわけないだろっ!?
このエンディングでいくなら、ここは能天気な歌を流すんじゃなくて、恐怖に怯える女児の顔のアップを映すべき。それなら、かつて存在していた「サティー」という狂気を否定しているように演出出来ただろう。
この映画をちゃんと観た人なら、ヒンドゥー教は正義、イスラム教は悪、という感想は抱かないはず。
ヒンドゥー教もイスラム教もイカれている、ということを描こうとしているんじゃないかというくらい、まぁ何というか後味の悪い映画っす。
ヴィジュアルの美しさ、キャラクターの楽しさ、ストーリーのワクワク感が強いだけに、ちょっとオチの酷さが気になる…。
いっそのこと『アラーウッディーン 覇王の誕生』というタイトルにしてしまって、アラーウッディーンがやべー女に手を出してしまったというストーリーに作り変えたらいいんじゃないかな?
映画の第一義はハッピーエンドである事( *`ω´)!
いや、ウチの個人的な持論だがね?
①映画は二時間以内である事(百分が望ましい)
②ほどほどにアクションシーンがある事
③ほどほどに恋愛要素(や博愛や友情)がある事
④ほどほどにコメディ要素がある事(もしくは重くない事)
そして?
⑤ハッピーエンドである事
↑の五要素は、ハリウッド系に欠かせない。
インド映画をボリウッドと言うらしいが、本作は上記五個に全て当てはまらない(③がギリギリか?)。
その昔。
民は優しく博愛と教養溢れたカルタゴと言う国があった。
彼らは平和を愛する民だったが?
ローマ帝国に滅ぼされてしまった。
正々堂々は良いだろう。
正面からの正義正論も良いだろう。
だが、それは愛する者を護れてこそ言う言葉だ。
北方領土は奪われた。
竹島も奪われた。
尖閣諸島は今まさに奪われようとしている。
日本人よ目覚めよ!!!
邪な大陸や半島にこれ以上、我が国の領土や、愛する女たちや子供たちや母らを蹂躙させるのか?
愛する者を、命を賭しても護れ!
この映画は好きでは無い。
見た事を後悔すらしている。
でも、平和ボケの日本人がコレで目覚めるなら、☆②をつける価値は有るだろう(`_´)ゞ
目の保養
好き嫌いの分かれる内容ですが、
ひたすら美しい映像を堪能出来て私は幸せでした。
何故か昨年大ヒットしたバーフバリと比べるレビューをいくつか見かけましたが…
不思議です。
作品のジャンル自体が違うのと、製作された土地、北インドと南インドでは文化も価値観も投入される予算も違うので同列には語れない。
鑑賞する側もある程度インド映画の知識を持ってから観た方ががっかり感は少ないのでは
と思った次第。
バーフバリは文句なしに面白いです。
南インドの一地方で作られた娯楽アクション大作です。
パドマーワトは巨額の予算を投入したインド映画界ではNo.1のボリウッドで作られた歴史上に実在した人物が題材の映画。
主人公のパドマーワティは最後まで美しく、悪役の暴君も最後まで魅力的。
全てが豪華で夢の様な時間で、劇場でうっかり三回観ました。
ストーリーは二の次なんです。
登場人物やセットなど映像の美しさと、セリフ(言葉)の美しさ、ひたすらに美を堪能する映画と割り切って観るのが正解かと。
至福の時間でした。
ひたすらに美しい
本当に美しかった!演者からダンス、画面がどこもかしこも煌びやかで眩しいくらいでした。劇場で観られて良かった…
「恋する輪廻」を観て以降私的インドNo.1美女だったディーピカー・パードゥコーン。彼女が「絶世の美女」役だと聞いて楽しみにしていたけど、本当にいつ如何なる場面でも美しかったです。敵味方問わず人を狂わすのも納得。スカートをくるくる回して踊る場面は見惚れるくらいに美しくて、やっぱりインド映画は最高だなぁと感動しました!
アッラーウッディーンも素晴らしかった。狂気的で目力もすごくて、まさに怪演といった感じ。インド映画は大抵ヒーローとヒロイン、それからイケメンの悪役(歌舞伎でいう色悪?)の3人がメインであることが多い気がするけど、やっぱり悪役に魅力がある話は面白い。個人的にはヒーローポジのラタン・シンよりも全然魅力的に感じました。兵を従えた荒々しいダンスも鳥肌モノにカッコいい。ダンスシーンが単調に感じないインド映画って素晴らしい!
ストーリーは単調でラストもうーんって感じでした。最初に出る諸注意でもう結末の予想もついちゃうし笑
でも画作りの美しさでお釣りが来るくらいだと思います!
豪華絢爛インド映画の世界に酔えたので大満足です!もっとインド映画劇場で公開してほしい…
まさかのラスト、えっ、えっ??
パドマーワトの人となりがサッパリ分からないので気持ちが入らない上に綺麗かもしれないけど、井上咲楽にしか見えなかった。王も、人民や国を守る立場なのにミエや自分の誇りばっかり優先するナルシストでああなるのも必然だなと。見せ場も敵の方が長くなんか途中からコイツの一途さに肩入れしたくなりました。
しかしなんといってもラストの救いのなさが個人的にダメです。悪い事がダメ、誇りを大事にするのは間違いじゃないけど女達が哀れです。正直見なくてもよかったと思いました。今のインドでこの映画がヒットしたのが信じられません。インドの人はストーリーを知った上で見てるからか。
しかし、まさかのあのまま終わりって。高評価なのが信じられない。
スゴい!洗練されたインド映画
日本のサブタイトルに付いてる「女神の誕生」。見終わった後に「うぉい!そういう意味かい!」って思わず膝を打ちました。あれ?これってタイトルでネタバレ?
「バーフバリ」からインド映画に目覚めたのですが、本作はメッチャ洗練されててビックリです。荘厳な美術や衣装にしろ、カメラワークにしろ、ハリウッドに勝るとも劣らない素晴らしい作品になっています。正直あまりインド映画に詳しくない身分でこういうのもなんですが、メチャメチャレベル上がってる!
調べてみると本作の物語って16世紀には確立されてたんですね。日本でいうと安土桃山時代!そんな昔からある物語を現代の映像技術で見事に作り込んであります。古典的な物語でもちゃんと作ればこれだけ面白い物になるという好例ではないでしょうか?
もちろんパドマーワティもラタン・シンも好きなんですが、なんと言ってもアラーウッディーンの圧倒的な悪役っぷりですね。ダンスシーンはメチャメチャ引き込まれてました。正に圧巻です。いっやー、悪役がしっかりしている作品は面白い!
最後の一対一の決闘シーンも緊張感のある長回しでドキドキしながら観てました。で、その後に続くサティーのシーンは胸が苦しくなりましたよ。今の感覚では殉死はもちろんダメな事ですが、尊厳を保つ為に炎の中に進んでいくパドマーワティはカッコいいと思えるぐらいでした。
インド映画なので上映時間は長いのですが、本作はその価値が十分にある作品でした。インド映画スゲー!!
綺麗で美しいけど、それ以上なものは?
歌と踊りは、素晴らしい。
女優さんも、皆きれい。
だけど、戦いの理由が全部個人の欲望。
ダマシても、勝てばいいって結論なんだよ。
最初は、
タイマンで勝負つけるようとするけど、
後ろから、矢を打って殺して、結局全軍同士で
ぶつかり合うって、無駄な展開。
正義と悪の戦い?みたいなの宣伝にあったけど、
悪と悪の戦い。
まあ、現実的な世界はそうなんだけど、
今でも本質は変わらない。
国際政治の世界では、性悪説で臨んでいかないと
悲しい結果になるよ!
中国や韓国、ロシアとか、アメリカだって
そういう覚悟で、交渉しないと何にも解決しないよ。
尖閣や、北方領土、慰安婦、徴用工問題も、
甘いと、やられちゃうよ!
また、関係ない話しだ。ゴメン。
2018-53
この目に映るは、夢ばかり。
どんだけ美しいんだよ。
どんだけ心踊らせるの。
夢でしかない。どしたらいいの(笑)
衣装。アクセサリー。そのアクセが重なり合う音。サリーがひらひら舞うダンス。
音楽。景色。建物。そして女優さん!
どんだけ美しいんだよ。主演、助演、どちらも。
大きな目、綺麗な鼻、短い人中、完璧な横顔。女性が憧れるもの全部揃ってますね。
絶対神様は、女性の美をインドと中東に偏らせたと僻んでる私(笑)
私なら彼氏と見ない。自信喪失。
デリーの強欲な王様がメーワールという国の王妃(ヒロイン)がとにかく欲しいんだっていう話。
いやいや、お前の奥さんもめちゃめちゃ美しいからマジで。
出てくる名前は覚えにくいけど、話はわかりやすいので大丈夫。
悪役の方、ぜひ『アラジン』のジェファーやってほしかったなぁ。濃ゆゆゆゆゆい!そして悪い!最高にジェファーじゃないか。
上映時間の長さとは裏腹に、クライマックスに近づくに連れ、あぁ終わっちゃう、まだ煌めいていたいのに...となるはず。
同じアジア人としてボリウッドは誇りに思います。このダンス、この迫力、ここ音楽、日本人には出来ない。
この煌めきに包まれてみませんか?
バーフバリみたいな面白さを期待したけど
イマイチな映画でした。
戦いが始まるまでが長い。戦い方も普通すぎる。散々引っ張っておいてラストは尊厳死。全然スッキリしない。絢爛豪華なシーンも全体的に画面が暗い。
バーフバリが良すぎたせいで面白味にかける映画だなと感じました。
せめてテンポが良ければ星3でした。
ラストの鬼気迫る美しさ
そこまではヴィランズの頑張りで2時間半(?)
衣装もセットも豪華絢爛、万華鏡を覗いているようなドラマチックなカット満点。
だけど、食べたら思ったよりさっぱりしてますね、っていうか、もうちょっと濃くても大丈夫かも…
展開が単調に感じたのは画力が強すぎるせいなのか。
その他の感想
・パドマーワティが美しい
・パドマーワティの眉間がきになる
・パドマーワティのスタイルが良すぎて王が小さく見える
・敵の奥さんもめちゃくちゃ可愛い
・敵が頑張っている
・敵の子分がなんか面白い
・導師がしょうもなすぎる
ここ数年インド映画贔屓の私でもやや長く感じましたが、画の美しさは文句なしでした。
豪華な衣装と美術に圧倒された
豪華絢爛な画面、衣装に驚きながら鑑賞。
『バーフバリ』のような英雄譚ではない。
「ヒンズー教徒女性の象徴」である、パドマーワトの姿を通し、ヒンズー教の教えと、高潔な精神と正義について語っている。
私のように、宗教的な知識&インド文学の教養がない人間には、言いたい教えの理屈はわかるが、爽快感は得られない展開だった。
むしろ、イスラム教の王の「悪」っぷりがかっこよかった。
ところでこの映画、いろいろ検索したら、公開前に的外れな宗教的指摘で、騒ぎになったらしい。
世界中どこにでも、映画観ないで想像で叩いたり、エンタメと実際の歴史の区別がつかなかったり、って「分別のつかない奴」がいるんだな、と思ったりして。
圧倒的''美''と"セット"
インド映画最大規模の制作費があてられ、インド映画の国内興行収入3位、インド映画において100億円も売り上げ世界興行収入が歴代10位となった今作。
16世紀に書かれた同作伝記の映画化である。
かつて世界を統べていたモンゴル帝国も崩壊し、各地に小国が広がる時代、ラージプート族で西インドの王とシンガル(シンガポール)の王妃とその王妃を狙うスルターン(イスラム圏の王)の話である。「バーフバリ」と似た話と思われるかもしれないが、やはり圧倒的なまでのセット、衣装は違う。多くの煌びやかで眩い世界に入り浸ることができます。「アラジン」にも負けない程の世界です。
また、個性豊かなキャラも魅力的です。この時代を表す様なカリスマ力で勝ち残ったスルターンは映画史でも名を残すほどのキャラであると思う。
過激な宗教団体により一時は公開中止騒動になった程であるが、楽しむことができました。インド映画特有のミュージカル調なところが少ないので今まで敬遠してた方も、初めての方も是非この機会に。
豪華絢爛、高潔無比、英姿颯爽!
冒頭でいろんな説明がある通り、ヒンズー教徒に対する侮蔑的な描写があるんじゃないかと、公開前に暴動が起きるほど物議を醸していた作品のようだ。明らかに悪の部族はイスラム教国側なのに、それでも高潔さ以外の描写が問題視されていたらしい。が、観終えると、上品で優雅なパドマーワティの心の美しさには一点の曇りもないと感じたし、これは伝説になるわなぁと素直に感じた。ただ、日本人からすれば沖縄戦の悲劇までをも想起させられるところが、ちょっと問題かもしれません。
とにかく大迫力の映像体験。圧倒されっぱなしの164分でした。正義と悪を決めつけることは互いの立ち位置で違うものなんだろうけど、純愛を貫いているラタン・シンと天衣無縫のパドマーワティはやはり肩入れしたくなる王族。一方の“第二のアレクサンダー”とも称されるアラウッディーンは叔父を暗殺しスルタンの座に就く。しかも結婚式当日に他の女とセックスしているという、相当なチャラ男なのだ。
一人の王妃をめぐって眼中にもなかったメーワール国を攻め入ろうとする悪のアラウッディーン。しかも、噂だけで行動しているところが痛い男。潔く一人で入城する場面もあるのだが、さらに上を行く高潔なラタン・シンに嫉妬したに違いない。怜悧狡猾な男にたいしても慈悲を感じたのか、ラタン・シンは丸腰の相手を殺さない。さらに彼は卑怯な手段で拉致されるが、そこでも彼の影響で王国のみなが潔癖さを保っていたようだ。
終盤の侵略戦争には圧倒的な戦力差により覚悟を決めたパドマーワティ。もう涙が止まらない。しかも赤で統一された衣装が眩しく、スクリーンに吸い込まれそうになるほど。正義は勝つ・・・のじゃなくて、悪は絶対に勝てない。天網恢々なのだ。
ずっとパドマーワティの鼻輪と涙目が気になってしまいましたが、最初からこうなることを予測してたかのような彼女。やっぱり女神降臨だったのかも・・・とにかく言葉にできない美しさを多くの方に大スクリーンで体験してもらいたい映画でした。
ミュージカルっぽかった
壮大美麗な一大悲劇
インド映画は未体験。
予告編を見掛けて、これはインド版『天と地と』か『レッドクリフ』なやつかなーと興味を抱き観賞。
実際、製作費をかけた大規模歴史エンターテインメントではあるが、原典が叙事詩であると示されているし、私としてはシェイクスピア悲劇のような印象だった。
一人の美女を巡って国家が盛衰する筋書き、登場人物の性格や立場が解りやすく振り切って描かれている所、脇役の役回り、芝居がかった台詞や演技などが、どことなく戯曲的に感じられたし、誰も大望を叶えずに終わる結末もそれっぽい。
神話や古典演劇好きなので、楽しんで見られたし、所々ミュージカル調に歌い踊ったりして、3時間思いの外飽きる事がなかった。
美しく知と勇に長けた王妃パドマーワティ、誇り高く義を重んじるラタン・シン、野心に燃え欲望に忠実なアラーウッディーン。主要人物の設定も典型的で解りやすい。
インド映画は勧善懲悪物が多いのかと思っていたが、強く狡猾で欲深く残忍な悪役のアラーウッディーンが、人間らしく業深く力強く、時に身内の裏切りに孤独感を漂わせたりと、何処か悪の魅力を感じさせる描き方をされていたのが面白かった(完全に自業自得なので同情はしないが)。
アラーウッディーンの側仕えカーフールの、同性愛も感じる王への心酔など、脇役のキャラ付けも巧みで魅力的。
ビジュアル面は、役者も、舞台も、小道具も、衣装も、アングルも、ひたすら壮大で美しい!
一部、パドマーワティの故郷の森や、モンゴルとの戰シーンなど、余りにもCG臭いなーという部分はあったが。
女優さんは実在するのかと疑うほどに綺麗だし、俳優さんもワイルドなハンサムで胸筋ガッチリ、しかもわりとすぐ脱ぐ(笑)あと、結構お色気シーンというか、一々王と王妃が色っぽい雰囲気で絡んだりする。色々眼福(笑)
一糸乱れぬダンスシーンもキレッキレで、翻る衣装、交差する武器、見事なフォーメーション、全てが壮観だった。
ラストの展開は、現代日本女性として後味の良いものとは言えないが、インドの歴史や習慣を踏まえ、あくまで物語上の展開としては納得いかなくはない。
それに、名誉を重んじる戦士、乱世の肝雄、男色的表現、武士の妻の矜持など、今時の世で共感できるかはともかくとして、文化的には日本人にも充分理解しやすい内容な気がする。
しかしやはり、世間に憚る所が色々と多かったらしく、冒頭で長々と断り書きが入る。
宗教対立や殉死表現への配慮は解るが、動物は殆んどCGであり愛護されている、との但し書きは初めて出会った。動物が神様の御使いだったりする国だから、動物愛護に敏感なのかな?
そんな具合で、今まで見た洋画邦画と違う所も多く、大変興味深く楽しかった。
他のインド映画も見てみたくなったなー。
すすす、すばらすぃ!
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