「「マイ・ウェイ」自分の道を生きることの尊さ」ディヴァイン・ディーバ ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
「マイ・ウェイ」自分の道を生きることの尊さ
素晴らしい視点を持った作品だと思う。軍事独裁政権下のブラジルの社会を生きたドラァグクイーンのドキュメンタリーだが、彼女/彼たちの人生を通して、当時の自由のない社会に人がいかに立ち向かったのかを蘇らせ、ブラジル社会がいかに自由を勝ち取っていったのかが見えてくる。
性の多様性への理解の促進は現代社会で重要視されるようになったが、激しい抑圧のあった時代に彼女/彼たちのように熱く生きた人がいたのだ。それを知るだけでも貴重であるが、いかに権力が規範を用いて人の自由を統制したがるのか、この映画を観るとよくわかる。
この映画のもう一つのポイントは、昨今はLGBTという新たな言葉が浸透しつつあるが、性とは簡単にカテゴライズできるものではないということだ。映画に登場するディーバたちの性のあり方も一様ではない。彼女/彼らを一つの性でくくることはできない。
「マイウェイ」を歌うシーンが印象的だ。自分の道を行くということが大事なのだ
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