ディープインセクトのレビュー・感想・評価
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B級カルト映画。見所は虫の造型とオジサン。古い映画風に撮っているの...
B級カルト映画。見所は虫の造型とオジサン。古い映画風に撮っているのだけれどオシャレとかではない。絶望と小さな笑いがあるのみ。
『親父達による悪趣味な狂宴』
自宅にて鑑賞。日本劇場未公開で原題"Insectula!"。本作は地球を破壊し続ける人類への戒めであり、訓話であると仰々しいイントロからゴシックめいたオープニングとタイトルコール。首尾一貫、レトロ感に満ちた彩度を抑えた濁った硬質な色調。場面や舞台をコロコロ変えるが、視点が定まらず、煩雑に散らかっているだけで前後の繋がりも微妙で、ただ撮りたい物を撮っただけに思え、語り口や展開の文法も支離滅裂に近い。事情はあろうが、確信犯として故意にチープに作っている。恐らく嗤い乍ら鑑賞するのであろうが、論ずるに値しない奇妙な一作。30/100点。
・ショボい銃にたった二人の陸兵で応戦する軍。ピンポイントでそれを襲撃するクリーチャー。ヘリと絡むシーンではサイズ感もカットによりマチマチである。何故、火が出いるのが判らないビル群。何故か混乱する市街地の道路中央にいる服を着た座敷犬。どう見てもひ弱な火器や銃器に加え、のっぺりとした重量感の無い平面的な戦車。発令されたアラモ作戦なる謎のミッション。最新兵器が歯が立たない相手を、急拵えのプラスチック爆弾で解決してしまうヤケクソで横着な展開。駄目な箇所、矛盾や破綻ぶりを列挙し出すとキリが無い。
・このジャンルにおける往年の名作やカルト作等にオマージュを捧げたシーンが散りばめられているのも判るが、チンケで悍ましい中途半端な廉っぽい血糊に満ちた下品さが際立っただけのエログロが満載であり、生憎それらを許容出来るだけの度量や忍耐を持ち合わせておらず、暇と金に任せた下衆で悪趣味な道楽に附き合わされた様な感想しか持ちえない。こんな酷い出来の物が多くの万人に諸手を挙げ歓迎される様な誰もが愉しめる作品である訳がない。
・極端にピアッシングを嫌うH.マシューズ演ずる変態で狂った“ハインリッヒ・ヨハン・ケンプラー”博士によると、クリーチャーのDNAは、キュリセタ・ロンジアレオラタ──蚊と一致するとの説明があるが、頭部や開口する顎、肢の本数等、見た目や特徴は、昆虫と云よりも蜘蛛か蠍に近い翅の生えた節足動物にしか思えない。更に湖にいる幼虫は、軟体動物っぽい触手らしきモノを有している。そもそも生物学的にDNAの80%一致とは、全く別の種であると分類され、例えば人と犬、或いは猫のDNAを比較すると、80%以上が一致すると云われている。
・環境保護庁(EPA)の“アルド・"デル"・デルビオンド”のP.ピアロ、何気に不死身で報いを受けさせると息巻く割にめそめそと呑んだくれるだけだが、深い皴が刻まれた顔に何度も浮いていた附け髭、更には薄くなった生え際に頭頂部とそこかしこにベテラン臭が漂っている。そもそも出演者の傾向として女性陣に較べ、男性陣は髪が淋しく、腹の出た中年以上か初老の者達しか出て来ない。亦、劇中、複数のキャラクターが不必要にカメラ目線で科白を吐いたり、演技する様も白けてしまった。
・セクシー担当の一人“ブリタニー・サックス”のA.セザンヌ、終始TPOに相応しくない不釣り合いなお化粧と衣裳だが、囚われてからの見るからにガバガバなブラは、サイズが合ってないように思える。エンドロール中、青いビキニで踊っているのも彼女である。尚、彼女の前に黄色いビキニで踊っているのは、コールガール姉妹の妹“サラ”役のS.フレンチである。
・鑑賞日:2019年2月15日(金)
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