「やっちまった感満載のスリラー」インサイド kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
やっちまった感満載のスリラー
やっちまった!まずは交通事故。運転する妊婦サラは助手席の夫と産まれてくる女の子の名前を考え幸せなドライブを楽しんでいた矢先の出来事。夫は即死。お腹の中の子も無事だったサラだったが、聴力を失うという障害を負った。無事に赤ん坊を育てることが出来るか不安いっぱいの彼女は隣人であるゲイのアイザックの優しさによって正気を保っていたが、出産間近となったクリスマスイブの晩、見知らぬ女が電話を貸してくれとドアをノックした時から、運命が狂いだす。「車が故障したから電話を貸して欲しいの」「携帯は持ってないの?」「電池切れ」。不安になったサラは警察を呼ぶ・・・
再び眠りにつこうとするサラだったが、部屋に侵入してきた見知らぬ女によって目を覚ます。女は医療器具を使って彼女にオキシトシン(分娩誘発剤)を点滴し始めていたのだ。浴室へと逃げ込み立てこもったサラ。何とか立ち向かおうと鏡を割り凶器として使おうと奮闘するのだ。運悪くサラの母親がタクシーで彼女の家へとやって来た・・・やっちまった第2弾!見知らぬ女をガラスの破片で刺すつもりだったが、ガラスの破片は実の母親の首に刺さってしまう。
冒頭の説明文によれば、全米で年間300人余の乳児誘拐が発生しているという。その9割は母親が殺されている。子どもが欲しいサイコな女が大胆にも出産させて子供を奪おうとしているのは想像できるが、警察を呼んだ段階で怪しい車が見当たらなかったことから、どうやってサラに狙いを定めたのか?移動手段は?と頭を巡らせるサスペンス。隣人のゲイ2人をも殺害し、すでに殺人鬼となっている犯人。ここまでして子供が欲しいのか?とスリリングな展開にもかかわらず、おかしいぞと疑わしくなってくる。しかも、再度巡回に訪れた警官2人が台詞棒読み調だったため興ざめさえしてくるのです・・・
警官も殺した凶悪女と格闘になり、アクションも派手になってくるものの、相手はお腹の中の子が欲しいためにサラを直接殺せないという有利な状況。そしてやっちまった第3弾!パトカーの中で乱闘になり、なんとか近所の一軒家に逃げ込んだものの、その家が実は犯人の家だった!ここで産んでしまったら殺される・・・と、大ピンチに陥ってしまうのです。
サイコな女のスリラーは数多くあれど、途中で思い起こされたのが何故か『ダイ・ハード』。ガラスの破片の上を歩くところは痛々しかった。