劇場公開日 2018年4月28日

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「邦題には「?」が残るも、観る者に興味関心の窓を開かせる作品になりえている」マルクス・エンゲルス ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5邦題には「?」が残るも、観る者に興味関心の窓を開かせる作品になりえている

2018年5月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この邦題を見ると「一人の人間ではないんだよ」と諭したくもなるが、多くの人が彼らの名を音感的に”一緒くた”にして覚えているのも事実といえば事実か。ちなみに原題は「The Young Karl Marx」。つまりマルクス側に寄り添った物語ということになるわけだが、実際はドイツとイギリス、遠く離れた場所にいた二人が、やがて運命的な出会いを経て共闘していく姿を描いている。

専門家や彼らの著作に慣れ親しんだ人からすれば、二人を映画化すること自体が無謀な行為に思えるだろうが、それでも当時の時代状況を詳しく映し、若き二人の思想の原点、行動の着火点を颯爽と描き出す本作の手腕には好感が持てる。学生時代にこのような映画と出会っていれば「共産党宣言」や「資本論」にもスムーズに手が伸び、頭の中に彼らの姿をイメージしながら読み進めることができたのではないか。あらゆる意味で興味関心の「窓口」となりえる映画である。

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牛津厚信