「"一応"決着はついたので+★0.5」仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判 三郎さんの映画レビュー(感想・評価)
"一応"決着はついたので+★0.5
シーズン2の悲しくも美しい結末から2年。
この世界に残るアマゾンはたった2体。
仁と悠、野生と養殖。
因縁の二人についに決着が付きます。
舞台は橘局長が新たに立ち上げたプロジェクト「アマゾン牧場」。
ここでは仁の細胞から生まれた無辜のアマゾン達が人間に食べられるために畜産されています。
野生と養殖、そして畜産。
二人の決戦に新たな角度でストーリーは切り込み、物語はクライマックスを迎える…
あらすじだけ読めば面白く聞こえるかもしれません。
というか実際に畜産のアマゾンやムクのくだりは面白いと感じました。
しかしそれはサイドストーリーとして、エピソードの1つとしてであり、劇場で最終章として100分かける内容では無かったと思います。
実際、このエピソードのせいで肝心の二人のやり取りや決戦のシーンの尺がすごく短いです。一番見たかったところなのに。
本筋のストーリーにも説明不足な点があります。
何故仁が囚われたのか。視力が戻ったのか。
ネオアルファは何故人間なのに変身できるのか。
セリフにも違和感を覚えます。
美月を目の前にして悠の「自分に家族はいない」という宣言。
クズであれ人間は守るというボーダーラインを超えた仁の「これが鷹山さんだぁ!」等、
「あれ?このキャラこんなセリフ言うかな?」
と首をひねるシーンが多々ありました。
脚本家が変わったのが大きいとは思いますが…
予算が無いのか、舞台も9割方森の中で進みます。
二人の決戦、肝心のラストシーンもゴルフ場前とは……
アマゾンズという大きなストーリーから見ても、最終章として大きくしこりを残した結末でした。
水澤本部長、橘局長、会長というシーズン1からの三大黒幕には完結編というのにお咎めなし。(橘局長がちょっと足撃たれたくらい)
仁はアマゾンを駆逐できず心半ばで倒れ、悠は守るべきものを喰らうという禁忌を犯したまま生存。
畜産のアマゾンは絶滅せず、美月のもとで若干数が生き延びる。
物語が終わるどころか無駄に・無意味にこじれたまま終幕。
仁さんが本当に浮かばれません。
一番どうかと思ったのは最期の橘局長のギャグシーンです。
無為なサブストーリーを見せられ、待ちに待った決着のシーンは尺が足らず超あっさり、おまけにまだ仁の死に浸っている間も無く唐突な面白くもないギャグシーン。
思わず眉をひそめました。
総評として、この映画の立ち位置はどう足掻いてもサイドストーリーであり、紛うことなく蛇足でした。
予算もなく、脚本家も違う。そこに仁と悠の決戦が含まれているのに怒りすら覚えるほどです。
アマゾンズシリーズに対して熱いファンであればあるほど肩透かしになる内容だと感じました。
私の中でアマゾンズはシーズン2で終わったことにします。