「いわゆる「子供部屋おじさん」が楽しめる映画」マインクラフト ザ・ムービー ジャワカレー澤田さんの映画レビュー(感想・評価)
いわゆる「子供部屋おじさん」が楽しめる映画
タイトルに「子供部屋おじさん」と書いてますが、これに蔑視の意味合いはまったくありません。
結婚よりも自分自身が楽しむ人生を選んだ男性、と言うこともできます。そして、子供部屋おじさんは素晴らしい人々です。だって、己の道楽に可処分所得を投じながらちゃんと働いている(国や自治体に納税している)わけですから。それに対して「気持ち悪い」だの「早く結婚しろ」だの言う資格は、誰にもありません。
現実世界から主要キャラ5人のうち、何と2人が子供部屋おじさんです。そのおじさんたちが普段思い描いている妄想を思いっきり具現化し、その中でのびのび遊べて「世界を救う」というヒロイックな要素も提供している。それが本作品です。
子供のまま身体だけ大きくなったような男性が観ることを想定した映画ですから、「この作品はテンプレだ」とか「シナリオ展開が急で雑」とか、その批判はさすがにナンセンスです。あのねぇ…「娯楽映画」って、そういうものじゃないの???
現代の映画制作者が安易にやりがちな「劇中でのお節介な説教」や「不要なお涙頂戴」を徹底的に省いただけ、この映画は☆5に値します。
で、この作品に関してさらに言えば、子供に混じってマインクラフトを50時間以上プレイした大人でない限り「面白い!」と思えることはないと思います。
「作るのが面白くて、時間が溶けていく」
その感覚を一度も経験したことのない人にとっては、非常に退屈な作品だと思います。つまり「映画を観てゲームに興味を覚える」方向性ではなく、「既にゲームをやっている人が観る映画」なんです。
ある意味で、「映画の本道」を突き進んでいます。
今はあまりにも哲学的要素をブレンドした映画がありふれていて、そのせいで誰しもが「ためになる映画」を求め過ぎています。映画に対して「ためになる」なんてことを求めるほうがアレですし、そんなんだから現実世界は「子供部屋おじさんを笑うつまらない大人」ばかりになっています。
映画に「メッセージ性」なんて求めるな! せっかくの休日なんだから、骨の髄まで馬鹿みたいに楽しもうじゃないか!
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