「ゲームの良さが再現されているのかはわからないけど、何も考えないアトラクションムービーとしてなら合格かな」マインクラフト ザ・ムービー Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
ゲームの良さが再現されているのかはわからないけど、何も考えないアトラクションムービーとしてなら合格かな
2025.4.29 字幕 イオンシネマ久御山
2024年のアメリカ映画(101分、G)
自由に創造できる世界の危機に立ち向かう若者たちを描いたコメディ映画
監督はジャレッド・ヘス
脚本はクリス・ボウマン&ハベル・パーマー&ニール・ワイデナー&ギャヴィン・ジェームズ
原作にあたるのはMojang Studio制作のゲーム「Minecraft」
物語の舞台は、アメリカ・アイダホ州のとある町
少年スティーヴ(ブラム・スコット=ブレヘンリー)は、鉱夫となって鉱山を切り開きたいと考えていた
だが老鉱夫(クレイグ・マッキンネー)は「子どもの遊び場じゃない」と追い返し続けた
月日が過ぎ、そんな夢のことなど忘れていたスティーヴ(ジャック・ブラック)は、ひょんなことから夢を思い出し、ツルハシ片手に鉱山へと向かった
老鉱夫の阻止を交わして中に入ったスティーヴは、積年の欲求を発散するかのように掘っていく
そして、岩盤からキューブとアースクリスタルなる不思議なものを見つけた
彼がそれを合体させると、目の前にドアが出現し、その先には「何でも自由に作れるオーバーワールド」が展開していた
物語は、この場所で好きなだけ作りたいものを作っていたスティーヴが、その世界の奥に「もう一つの世界」を見つけてしまう様子を描いていく
そこはヘザー(地獄)と呼ばれる場所で、何かを創造することは許されない世界だった
支配者マルゴシャ(声:レイチェル・ハウス)の命令通りに金を採掘し、それ以外のことをすると一瞬で消されてしまう
スティーブはマルゴシャに見つかって投獄され、キューブとアースクリスタルも奪われてしまう
マルゴシャはその力を悪用して、自分好みの世界を作ろうと目論んでいた
だが、スティーヴは一瞬の隙をついてペットのオオカミ・デニスに銘じて、キューブとアースクリスタルを奪い返し、それを現実世界の自分の家へと隠させるのであった
映画は、これらの物語の前提を事細かに説明するパートがあり、本編に入るまでにかなりの時間を要している
その後、スティーヴのいた町にヘンリー(セバスチャン・ハンセン)と姉ナタリー(エマ・マイヤーズ)が引っ越してきて新しい生活を始めていく様子が描かれていく
ヘンリーは科学大好き人間で、いろんなものを作れるが、新しい学校ではあまりウケなかった
それどころか作ったロボットが暴走して、姉が働いている会社の看板を壊してしまう
副教頭のマーリーン(ジェニファー・コーリッジ)から保護者を呼ぶように言われたヘンリーは、ナタリーではなく、通学途中にたまたま立ち寄ったゲーム屋の店主ギャレット(ジェイソン・モモア)を呼びつける
ギャレットは金に困っていて、貸し倉庫オークションなどでお宝を探しては転売していたが、そんな彼の店にヘンリーは立ち寄っていた
その後ヘンリーは、ギャレットの店に行き、そこで彼が貸し倉庫オークションで手に入れた「キューブとアースクリスタル」を見つける
そして、それを合体させたことによって、ヘンリーたちはオーバーワールドへと入り込んでしまうのである
映画の前半がかなりかったるい感じになっていて、いつになったら話は始まるんだろうと思っていた
そのためか眠気が随所に襲う展開に思えて、もっとサクサク進まないかなあと思ってしまった
いっそのこと、ヘンリーたちがオーバーワールドに来た瞬間から始めても良いくらいで、彼らの関係性の構築などをのんびりと説明している意味は無いように思えた
個人的には、オーバーワールドに来るのが不動産者のドーン(ダニエル・ブルックス)じゃなくても良かったと思っていて、オーバーワールドの住人が外に出るよりは、マーリーンが巻き込まれて向こうで恋をするでも良かったと思う
ともかく、ポリコレ配役になっている部分と展開があって、本編に不要なものが多すぎるように思える
それ以外は、原作のゲームを知らなくても問題ないのだが、この映画を観て原作ゲームのイメージが湧く人の方が稀のように思える
映画は、自由に何でも作れる世界に浸っているスティーヴが、紆余曲折を経て現実世界に戻ってくる、というもので、その助けをすることになるのが4人組ということになる
アクションシーンは結構派手で見応えがあるので、そのテンションで最初から最後まで突き進んでも良かったように思う
オーバーワールドに迷い込む人間が戸惑って世界に馴染むというのを2回やる意味がなく、ヘンリーたちがスティーヴをオーバーワールドの住人だと思い込んでいても問題は無い
むしろ、正体不明のまま物語が進んで、実は住人ではなく逃避人だった、というシビアな展開でも良かっただろう
彼が守りたい世界は大切なものだが、それ以上に「うまくいかない世の中で何かを作り上げた時の達成感」というものを思い出すことで、原点回帰した方が良かったのでは無いかと感じた
いずれにせよ、導入と物語性をもう少し練らないと大人向けにはならず、子どもが面白く思えるかは世代が違いすぎるように思えた
ビジュアルで楽しめる反面、このゲームが流行ったのは10年以上も前のことなので、ある程度の大人が懐かしむ映画なのかもしれない
YouTubeでゲームの動画をザッピングしたけどイマイチ面白さが伝わらず、ブラウザ版は結構な値段がしてびっくりした
スマホアプリもググってみたけど派生しているパチモンばかりのようなので、ややこしいゲームを拾わないように注意した方が良いかな、と思った
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