クレイジー・リッチ!のレビュー・感想・評価
全22件中、1~20件目を表示
面白いところもあった? かなあ…
くだらない話で、オチも納得いかない。せっかくの決意を翻す必然性がない。
ちょい役だったがソノヤ・ミズノがスタイルも抜群で美しかった。
中国が目覚める時、世界は震撼する ナポレオンの黄禍論
『アメリカ人の考えるのは自分の幸せの事。幸せは幻想。中国人は長く残る物を築く』 映画の中のセリフを引用
この話は、単なるアジアの話はではなく、家族や同じ仲間を大事にする『華僑』や『客家』の話。
同じアジアだが、日本の事はおくびにもださなかった。韓国はKポップでディスられていた。日本のクルマが空港にちょこっと登場したが。
兎も角、現代は、資本主義の終焉なんだろうと思う。世界一の人口を持つ中国が市場に登場したのだから当然。だから、クレージーなわけだ。『クールジャパン』なんて空気が読めない事をやっている余裕は今の日本には無い。
台湾、香港、大陸が仲が悪いなんて、誰かが作った『でっちあげ』と思うべき。彼らの絆は世界に広がる。勿論、日本にも華僑の方々は、普通に暮らしている。但し、彼らの絆は非常にかたい。
過去の歴史の中で、先駆的に、世界の黄禍論の的になってきた日本は、自分達の経験に基づいて、その虚しさを中国の方々に学んでいただくべく、行動すべきだと僕は考える。欧米と一緒になって、中国をディスっても更に虚しいと感じる。日本は脱亜入欧をもうやめるべき時が来たと感じる。それが本当のクールジャパンじゃないかなぁ。
秀逸な麻雀シーン
お金か幸せか。
プロポーズを受けてしまったら、相手の母親は息子を失う。そこでレイチェルが選んだ自己犠牲。
プロポーズを断り、相手に勝たせる。
それを麻雀シーンで表現した素晴らしさ。悩みに悩んで、Ⅷ(リッチ)を切り、相手(憎き母親)に勝たせる。麻雀を教わったという自身の母親がそれを陰で見ている。そして、帰り際の凄いメンチの切り方!アメリカ人は家族を大切にしない?そんなことは無いよと。
そして大どんでん返し。いやー、感動しました。
あとは、オークワフィナが最高。
オーシャンズ8にも出ていたらしいが全く思い出せない・・。
これは、続編が楽しみです。
宣戦布告
どおにも豪胆といおうか、厚顔無恥と言おうか…凄いスタイルだった。
世界を席巻する中国マネーを背景に置いた話で、大陸お得意のお家騒動でもあるわけだけれど…その立ち位置が難解。
成金である事を自覚しつつ、その成功を大々的にアピールし、同時にその傲慢さをバカにもしてるような二面性が常にあった。
もうオープニングのエピソードからして、反旗を翻している風であり、最早中国の方が上だとの宣言のようでもあった。
なのだが、成金趣味のバカ騒ぎには品位がなく、痛烈に皮肉ってたりする。アメリカを追従し模倣する下品な連中と言わんばかりだ。
作品のカラーはさておき、主題はラブロマンスなわけだ。その障害物として旧体制のような母親が出てくる。この母親の振る舞いがどおにも俺は苦手だ。いや、好きな人は好きなのだと思う。そんなにドロドロとしたモノ持ち込むなよって思うんだけど…きっとファンにはドストライクなキャラなのだと思われる。
むしろ、彼女が居ないと物足りないとさえ言う人もいるだろう。それくらいポピュラーなキャラで、彼女の存在が大陸産映画のオリジナリティを打ち出してるとも言える。
いわゆる、得意とする分野を盛大ににぶち込んで勝ちにきた作品なのだと思われる。
俳優達は皆流暢な英語を使いこなし、自国の言語をも操る。今回はあまり披露される事は無かったがアクションだってお手の物なのだ。皆様一級品だと思われる。
鑑賞中ずっと妙な嫌悪感を抱き、劇場に行かなくて良かったなぁとも思うのだけど、作品として一貫している部分はありで…俺は好きではないのだけども⭐︎4つ。
ネットフリックスではコメディに分類されてんだけど、笑いの要素はあまりなく…ホームドラマとカテゴリーするには規模がデカい。
基本的にはこんな映画を作れるのは、その背景が現実ともある程度リンクしてるからであって、日本ではこおいう機軸の作品は撮れそうもない。そう思えば、これ以上はないオリジナル作品であるとも思える。
よかった
大味なテーマの映画だと思っていたら登場人物の心の機微を繊細に描いていて、とてもよかった。ただ、自分で何をなしたわけでもなく、出自によるセレブの暮らしぶりには見ていて物悲しい気持ちになる。生活は豊かでもつらそう。特に意地悪な女連中は本当にどうしようもないゴミだ。そんな風に思いながらも、うらやましい気持ちは否定できず、金持ちいいなあと思うので目の毒だ。
主人公がゲーム理論を武器に、彼氏のお母さんにかますところは痛快だ。主人公の友達とその家族がいい人でよかった。
タイトルなし(ネタバレ)
恋人の家族についに紹介されることに!すると何と恋人は不動産王の御曹司であり超絶お金持ちだということが分かります。
初めは軽く「何だそれ。ラッキーじゃん」と思っていましたが、規格違いの金持ちを取り巻く友達や家族、生活は何もかもが別世界でいやな目にあってしまいます。そんな苦境から持ち前の賢さと明るさで乗り越えてハッピーエンドに!!というお話。
感想としては可もなく不可もなくでした。シンデレラガールの話なら「プリティ・ウーマン」の方が上だし、魅力は「キューティー・ブロンド」の方が圧倒的。一度でいいかなと思います。
スゲ〜金持ち
「エクスマキナ」で
綺麗な女優さんだなと思ってた
ソノヤミズノが出てました。
ジェンマチャンの
いじりまくった顔面が気になって(崩壊気味⁈)
浮気だ何だと悩んで
離婚する事になっても
ピンと来ませんでした。
整形しないと
大体が
レイチェルチュウ役の女優さんみたいな
顔なんでしょうね
ミシェルヨーは歳を重ねても
凛としたカッコいい女性のままですね
何やかんやで
ハッピーエンドでした‼︎
尊厳 >> 愛 > 金
ニックを賭けたマージャン勝負???
レイチェル、そんな事言ったか?
この下り、原作とは違うみたいです。
問題のマージャンシーンです。
レイチェルのプライドは、ニックの母エレノアと祖母の言葉に負けて帰国するのだと思われる事が許せませんでした。尻尾を巻いて帰るのではない。何にも増して、私は財産目当ての嘘つきでは無いし、母への侮辱は許せない。
マージャンの前に、卓の他の二人は彼女達の会話が理解出来ない事が告げられます。うるさいマージャン店が、壁の無い密室となりました。レイチェルはニックのプロポーズを辞した事を伝えます。理由はニックに母を捨てさせたくなかったからだと。
レイチェルの手役は「索子(ソーズ)」を使った「混一色(ホンイーソー)」。彼女はローソーを引き当て「和了」。手役が完成し上がりの状態となりますが、上がりを宣言せずに、あえてパーソーを捨てます。パーソーはエレノアの当たり牌。エレノアは上がります。レイチェルは手役を見せ、あえて上がらずにわざと振り込んだ事を知らしめる。欲しいものを、なりふり構わずに取ろうとしている盗っ人呼ばわりされた事に対する、レイチェルの意地の自己証明。レイチェルは母親とマージャン店を後にします。
このシーン、結構しびれました。カッコ良いぞ、レイチェル。
全般に、クオリティ高かった。クチコミ通りの大当たりで満足です!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
追記
「母親を二度捨てる」の意味と、プロローグのホテル買収のエピソードの意味が、やっと解りました。ちゃんと繋がってた。解釈、変わりました!
レイチェルはニックにプロポーズされたことをエレノアに告げマージャン店を面会場所に指定します。それがニックを賭けた勝負である事を察するエレノア。
しかし勝負の途中でレイチェルはプロポーズを辞した事、彼に二度エレノアを捨てさせたくなかった事が理由だと話します。プロポーズを受ける事で一度。家を捨てる事で二度。そうなればエレノアの尊厳は傷つけられます。
レイチェルは上がりを捨てて、あえてエレノアに勝ちを譲った後、手の内を明かし、それがレイチェルの意思による選択である事を知らしめます。
レイチェルが身を引く事でエレノアの尊厳は守られますが、同時に財産目当ての盗っ人母娘と罵られ失った、レイチェル親娘の尊厳も回復出来ます。
昔、ロンドン(?)のホテルで尊厳を傷つけられたエレノアは、シッペ返しでホテルを買収しました。エレノアが重んじたのは尊厳。レイチェルに、ヤン家の嫁は無理だと考えた理由は、彼女ではヤン家の尊厳を守れないと感じたから。
マージャン勝負の落とし前の付け方に若かりし頃の自分を見た気持ちになったエレノアは、ニックに自分の緑色の指輪を持たせ、レイチェルを迎えに行かせる。指輪は、それがエレノアの意思による選択である事をレイチェルに知らせる事になります。
この、ラストのオンナの駆け引き、痺れるくらいにカッコ良い。
割と面白かったです
よくある話?
筋書きがよくできてると思う。
ゴージャスさも
それほどでも??
でもシンガポールだから飽きなかったのかな。
LAやNY舞台のアメリカドラマより面白かったです。
正直
麻雀からの展開は、驚きました。
ツモってあがったけど
勝負にこだわるならば、あがってもいいけど
これであがっても、つまらない。
迷ったけれども、
降りて、
おまけに勝負にこだわる義母に、わざとふりこむ。
勝ったと有頂天の義母に
カラクリを見せつける。
妥協して安くあがっても、勝っても仕方ない。
性急に勝負にこだわるならば、
降りてやる。
私を排除して、あなたはその場は勝った気になっても、
それは真の勝者ではない。
あなたと家族は偽りの勝者だ。
私は自分の幸せ、人生の真の勝者になりたい。
安易な勝ちを求めるくらいなら、私は降りる。
なのかなあ
やるなあ
面白かったです。
アジアの傑作ハリウッド。優雅な娯楽作品。
評判に違わず非常に魅力的なキャストと豪華な美術で観てるだけで楽しい。アジア人キャストでこんな作品が出てきたのは画期的。ディズニー的な分かりやすいシンデレラストーリーだが話運びが見事。各所のさりげないシーンが終盤の非常に重要な舞台仕立てになっていて脚本が秀逸。ただ少しステレオタイプな中国人一家にデフォルメされすぎている気もするので中国人に感想を聞いてみたい。個人的にはレイチェルがアメリカに帰り、ニックもついていくみたいなストーリーの方が女性が自分の人生を選択していくようなマインドに響くような気もするがどうなのだろうか。麻雀のシーンが最高にかっこ良かっただけに、行きはファーストクラスで、帰りはエコノミーで帰るみたいな対比も含めて良いような気もするが。ただ、ラストの華やかなパーティーシーンが盛大な打ち上げみたいな感じであれはあれで良い。現在のグレーターチャイナの、ああいうクレイジーで勢いがある世相を表している。行き過ぎは良くないが、日本ももうちょっと、景気の良い楽しいことがあっても良いかなと思う。
見分けが難しい
外国人がアジア人は似ているという気持ちがよく分かりました。
大筋のストーリーはお金持ちっぷりに気持ちよく楽しくなる感じでとっても良かった!
でもラストが困難大好きな少女漫画(笑)で育った身としてはそんなに簡単で大丈夫?って感じでした。
後どうしてもヒーローが小島よしおにしか見えなくてちょっと辛かった
アジア系アメリカ人の苦悩
ストーリー自体は少女漫画のような王道のラブコメディ。
でも映画のところどころにアメリカに住むアジア系の苦悩を見た。
アジア系アメリカ人はこの映画を見て泣いてしまうのではないか。
主人公はバナナ。見た目は黄色人種だが中身は白人(アメリカン)。
アジア系だがアジア人ではない。立派なアメリカ人である。
アジア系アメリカ人の平均年収はアメリカ人の平均年収より高い。彼らはマイノリティでありながら努力は人一倍。
多くのアジア系アメリカ人はアジアから移住してきた親に期待されつつ、自由で個人を尊重するアメリカ文化にも触れ育つ。
彼らの中には夢を諦め、弁護士や医師など親の期待通りの道へ進む者も少なくない。(アジア系アメリカ人のステレオタイプ。今は変わってきているが。)
アジア系アメリカ人一世二世はアジアとアメリカの狭間で育っていく。
そういう背景を知っている私としては、これを単なるラブコメとして見ることが出来なかった。こ
れは中国映画ではなく立派なハリウッド映画です。
バナナ娘
・親友役のオークワフィナが非常に良いキャラしていて楽しめた。
・従姉役のジェンマ・チャンがスゴくキレイで魅力的だった。
・格差社会やアメリカ系への逆差別に嫁姑関係等…。いろいろなテーマが散りばめられて楽しめた。
・麻雀のシーン カッコいい。レイチェル母の眼力 スゴかった。
アジアン映画
確かにアジア人によるアジアン映画だけど。
ハリウッド映画って考えなければ全然違和感ない。
途中アメリカナイズされたアジアン映画って感じが所々に感じられたけど、最後はすっきりシンデレラストーリーに。
最後のマージャンのシーンが良かった。
⑧持ってるけど出さない。
最後のカードを見ってるけど。
ニックの幸せを願ってるから。
普通に面白かった。 シンガポール🇸🇬に行きたくなった。
あれがあったからエメラルドに繋がる。
いやぁシンデレラです。
一寸違った今風では
やれる所まで,演ってくれちゃった様に思わせたので、お腹一杯胸一杯だった。
こう言う事を強く云ってはいけないのかもしれないけど、2回は絶対に観たいとは思えなかったなぁ〜と,言うと分かりやすい⁉️
観てよかった〜!愛すべき映画。特に恋する女性は必見。
俳優はほぼ全てチャイニーズアメリカン。
軽い玉の輿ラブコメかと思いきや…
観てみたらなかなかの展開で、内容で、キャストも魅力的で、心に残る素敵な映画だった。とても得した気分!
よくまとまった映画だと思う。
前日の『クワイエット・プレイス』があまりにも酷かったから、観る順番がこっちが後でよかった。
・・・ニューヨークで生まれ育ち、NY大学で教鞭を取るレイチェルの恋人ニックの実家はシンガポール。
親友の結婚式があるからと誘われて初めて一緒に行くことに。
ところがJFKでいきなりファーストクラスに案内され、問いただすと実は彼の実家は何やら事業をやってると。その取引先だから今回航空券貰えたと… え???
てっきり普通の家の出だと思ってたレイチェルは、シンガポールに着いてから次々と新たな事実を知ることなる。
彼が泣く子も黙る地元の名家、大財閥の御曹司であることを…
そして、恋人を連れ帰った息子を怖い顔で待ち構える『強い母(ハリウッドによく出てる超綺麗な女優さん)』、色眼鏡で見てくる親類縁者、御曹司を狙う独女たちの妬みの渦・・・まさに狼の群れの中の仔羊になってしまったレイチェルでしたが、持ち前のガッツで… さぁ、どうするか。
といったストーリー。
劇中で『あなたはバナナ』という言葉が出てきます。
これは、見た目は黄色人種、でも中身はアメリカン、という在米アジア人を皮肉った言葉。
レイチェルは英語しか話せないし、考え方も生粋のアメリカン。
大切にしているものは?と彼のお母さんに聞かれ[情熱]と答えるような、キャリアウーマン。
でも、華僑として曽祖父の代からシンガポールで土地開発をして不動産業界で苦労して今の大財閥の地位を築いた彼の家の考え方は『嫁とは家族にひたすら尽くすもの』というもの。
ニックはレイチェルにプロポーズするつもりだったけど、親友からも、お前は彼女をダメにするのか?苦しめたいのか?と諌められ、悩む。2人は深く愛し合っているのに。
鬼母が探偵を雇いレイチェルの家のことを調べ上げて初めてわかった新たな事実。
死んだと聞かされていた父親が実はまだ中国で生きていること、母親は父の暴力の恐怖から逃げるために身重の身でアメリカに渡ったこと… レイチェルの本当の父親は別の人であること…
全てを初めて知り、ショックを受けるも、ずっと母1人子1人で、苦労してレイチェルを育て上げた移民の母の愛は大きく深く、親子は絆を確かめ合う。まずここ泣けた。
アメリカは移民大国。いろんな国から人々が来ているけど、やはり黄色人種は生きづらい時代もありましたね。
そしてアメリカで生まれたその子供たち。
中国籍ではない、でもアメリカ人としても認めてもらえない、移民の子供達はこんな風に苦労することもあるのだなぁと、垣間見えました。
さて。ところで。
ニック役の男優が素敵すぎる✨185㎝、爽やかで素敵な笑顔。家柄の良さが滲み出てる。でも男気もありハートフルな人。
この俳優さん、アメリカでは番組司会や旅行番組のホストをしていて、演技は初めてだとか。ありえーーーん。普通に演技できてる〜 っていうか、上手い。
これからもどんどんハリウッド映画に出て欲しい。
従姉妹役の眞鍋かおり似の人もめちゃくちゃ綺麗でしたし、お母さん役も超美人だし、主人公はちょっと3枚目だけど、タレ目でキュートな顔立ちで可愛かったし。
皆さん素敵でした(日本人負けてる?)。
最後どうなるかは書きませんが、レイチェルの芯の強さと度胸、その決意に泣けましたね。
押してダメなら引いてみな、と言いますが。
参考になりました(笑)
お幸せに♡
恋する女性は必見。
All アジアン。
普通にラブストーリーで、おもしろかった。
アメリカでずっとランキング1位だったので、
どんなものか気になり観てみた。
金持ちのばか騒ぎが愉快。
笑いもあり、ちょっと涙もあり、
よかったとおもう。
ハッピーエンドでそれもまたよし。
クレイジーリッチ、クソ金持ち。
みたいな感じかな。
終始ハッピーな王道ロマンティック・コメディ!
私はロマンティック・コメディが大好きだ!
近年はハリウッドでもなかなかロマンティック・コメディが作られず、ジュリア・ロバーツ、メグ・ライアン、サンドラ・ブロック、キャメロン・ディアスらが活躍した90年代や、オードリー・ヘップバーンやキャサリン・ヘップバーンらが活躍したハリウッド黄金期のようには「ロマンティック・コメディ」というジャンルが市民権を得られていないのを、時代性も見据えて仕方ないことだとは認めつつも残念に思っていた。そんな中、ハリウッドにおいて、メインキャストをすべてアジア人でそろえたロマンティック・コメディが成功し大ヒットしたというのは、日本人である私にとって実に喜ばしいニュースだった。そして期待に胸を膨らませて映画館へ行けば、まさしく「これぞロマンティク・コメディ!」と叫びたくなる映画をアジア人の姿で見られることの重大な意義。白人を主人公にしたロマコメでさえヒット作が出ない現代に、この映画をヒットさせたアメリカと言う国を私は大いに見直した!!ロマコメの王道を行く、清潔で健全で洗練されてそしてチャーミングな実に正統派のロマンティック・コメディ。王道のロマコメでありながら、アジア人がメインキャストという新鮮さ。まぁ実際の問題として、メインキャストを特定の人種で統一するというのもある種の逆差別でもあるわけで、いずれはそういう映画も淘汰されていくであろうことを考えれば、この映画は今現在この時代だからこそ成立し得た作品だったかもしれないという風にも思うのだけれども、かといってアジア人のみでロマコメを作るという新鮮さだけに頼った映画では決してないところもとても嬉しいところだった。
ハリウッドの映画に出てくるアジア人(主に中国系)と言えば、騒々しくて品がなくてやや貧困なキャラクターが多かったように思う。しかしこの映画に出てくる中国系の人々はいずれもそれぞれに洗練されていて都会的でなおかつ裕福でモダンな人々。そういう人々を自然と描いているのもそれまでのハリウッド映画を思えば画期的なこと。現代のニューヨークの街並みを歩けば、観光客以外の中国系アメリカ人ですれ違うのはたしかにこういう人々だったりするものだ。そうしてアジア人をメインにした物語が洗練された男女のそれとして描くことが出来たのも、やはり洗練された現代のアジア系クリエイターが作り上げた作品だからなのではないだろうか。アジア人に対して欧米人が抱くイメージの全て裏手を行く、リッチで贅沢な姿をまざまざを見せつけて痛快以外の何でもなく、絢爛で乱痴気騒ぎをしてもどこかソフィスティケートされているところがまた好きだった。
王道を行く物語だとは言え、小さなジョークはそれぞれに冴えているし、終盤へ向けての展開にはやはり巧いなと思う部分が多数ある。クライマックスへ向かう展開で描かれるヒロインの心情の繊細さと現代的リアリズム。そしてその流れが実に綺麗で爽快。ついでに言えばあの浮気夫と妻のエピソードも好きだった。夫が浮気をしたことが許せないのではない。チャンスがすぐ目の前にあるのに掴もうともせずに自己憐憫に浸って浮気に走ったその不甲斐無さが一番許せなかった、という妻の気持ち。わかるよ。そりゃエンドロールでちょっとしたご褒美をあげたくもなるよね。こういう細部の説得力が、他の登場人物も含めた作品全体においてしっかりと描かれているのがまた好印象だった。一番は金髪の親友ペク・リン!よくあるヒロインの親友役の賑やかし要員のように見せかけて、こんなに親友想いの女友達なら誰だってほしい!映画を見ながら、ペク・リンと友達になりたい!と心底思ったほどだった。
近年はハリウッドに対してロマンティック・コメディというジャンルにおいてはまったく期待しておらず、事実ハリウッドの映画業界はこの映画をホワイトウォッシュしようとした経緯もあるようだ。それでもそれらを振り切ってアジア系で作り上げたこの映画を誇りに思うし、この作品を支持してくれるアメリカと言う国にはまだまだ望みはあると思う。ハリウッドが目を覚ますまでは時間がかかるだろうけれども、観客は登場人物が白人だろうが黒人だろうがラテン系だろうがアラブ系だろうがアジア系だろうがストレートだろうがゲイだろうがトランスだろうがクイアだろうが、いずれにしたって面白い映画を観たいのだよ、ということを声を大にして言いたいし、日本においても、ジャニーズだろうが電通だろうがテレビ局系列だろうがインディーズだろうが無名だろうが関係なく、面白い映画を観たいのだよ、とやはり言いたいのである。
移民2世の共感を得る、”バナナ”という表現に笑える。
今年一番のハッピーな映画かもしれない。単純に楽しいだけでなく、いろいろと画期的な作品である。話題となっているのは、ハリウッド映画ながら主要キャスト全員がアジア系であるということ。
ヒロインは、生粋のニューヨーカーで経済学の教授である中国系アメリカ人のレイチェル・チュウ。ある日、彼女の恋人ニック・ヤンが親友の結婚式に出席するため、一緒に故郷のシンガポールへ行こうと誘われる。しかも彼の家族や親せきに紹介するという。
ところが出発当日、空港で案内されたのはファースト・クラス。彼はアジア屈指の不動産王の御曹司だった…。しかも社交界ではセレブ女子たちが憧れる超人気の独身オトコ! 親族からは資産目当てではないかと思われ、セレブ女子たちからは嫉妬され、バッシングの中、幸せをさがすラブコメディである。
今春、大ヒット作品「ブラックパンサー」(2018)が、やはりアフリカ系アメリカ人によるヒーロー映画であることで注目された。これまでのハリウッド映画では、ヒーローはいつも"白人"であることに疑問を持つことはありえなかったからだ。
これは白人の国であるアメリカにおいて当然のことであったが、いまやハリウッド映画は世界マーケティングを前提としている。先の「ブラックパンサー」を製作したディズニーは、「スター・ウォーズ」シリーズでも、意図的に女性や有色人種をキャスティングしている。
本作でも、白人以外の役柄に白人をキャスティングする、"ホワイトウォッシング"の要請があったと、原作者のケビン・クワンは証言している。ヒロインのレイチェル役を"白人女性にしたい"という映画化オファーである。もちろんクワンはその提案を一蹴している。
そんな中、主演のレイチェル役に選ばれたのはコンスタンス・ウー(台湾系アメリカ人)、恋人のニック・ヤン役にヘンリー・ゴールディング(マレーシア)が選ばれ、原作に忠実な、画期的ハリウッド=アジアン映画が完成した。
いちばん有名な共演者は、ミシェル・ヨー(マレーシア)だろう。「007 / トゥモロー・ネバ―・ダイ」(1997)ではボンドガールを務めた元・ミスマレーシア。また、ニックの祖母アー・マー役は中国出身のリサ・ルー。
さらには日系人もいる。劇中でシンガポールのファッション・アイコンであるアラミンタ役を演じているのが、ソノヤ・ミズノ(水野苑陽)である。
なんといっても注目は、ヒップホップ・アーティストのオークワフィナ(AWKWAFINA)だ。彼女も中国系アメリカ人の父と韓国移民の母を持つアジア系。先日の「オーシャンズ8」(2018)にも女スリ師のコンスタンス役で印象的な登場をしていたが、彼女が話題となったのはそのアーティストとしての衝撃的なラップ曲「My Vag」(2014)である。直訳すると、"私のヴァギナ(性器)"だからね!
劇中では、レイチェルの大学時代の友達ペク・リンを演じていて、彼女の実家もシンガポールのお金持ち。庶民のレイチェルをセレブに負けないようにドレスアップさせ、高級車で送迎する。このシンデレラ物語において、カボチャの馬車とドレスを用意する妖精"フェアリー・ゴッドマザー"的ポジションなのである。
本作の設定は、原作者クワンの実体験から生まれている。だから本当にいるアジア系のスーパーリッチとはどんな人々なのかがわかる興味深い作品で、世代を重ねて家族を大事にし、自分たちのルーツである民族文化・風習も守っている。アジアの風習と同時に、セレブのファッションを楽しむこともできるし、その生活常識までものぞき見ることができる。
またアメリカでのヒットの背景には、移民の国における、"●●●系2世・3世"たちが共感するテーマにもなっていることだろう。
それを象徴する言葉に、"バナナ"という表現が出てくる。同じルーツの中国人だから分かり合えると思っているレイチェルに対して、"外見は黄色(アジア人)だけど、中身は白(アメリカ人)"とバカする言葉だ。
生まれたアメリカでは"少数民族"は差別され、ルーツである国では"貧乏アメリカ人"と見下される始末。さらに個人主義のアメリカ人に対して、血族優先主義の国があるという現実。
実は原作には続編「チャイナ・リッチ・ガールフレンド」と「リッチ・ピープル・プロブレムズ」がある。本作のヒットによって映画化されることは間違いない(第2弾はワーナーが先日発表済み)。
続編もいまから楽しみであるが、その前に、もう何度か見返してみたい作品である。
(2018/9/29/TOHOシネマズ日本橋/シネスコ/字幕:小寺陽子)
普通に面白い
金持ち達の生態にはムカつくところもあるが、普通に面白いコメディだった。
ヒロインの周りの人たちかいい人達でまぁスッキリするが、最後どうして彼の母が納得したのかは今ひとつ腑に落ちない…
オークワフィナのコメディエンヌっぷりが良かった。
全22件中、1~20件目を表示