「ゴシックホラーの再構築作品」死霊館のシスター R41さんの映画レビュー(感想・評価)
ゴシックホラーの再構築作品
かつて視聴者が怖いもの見たさとそのスリルから釘付けとなったゴシックホラーも、いまでは霞んでしまった。
ホラーというジャンルを再度盛り上げるために散々試行錯誤が繰り返されるが、その中で今でも残っているのがゾンビくらいだろう。
ここでいうゴシックホラーは、バンパイアとウルフマン、フランケンシュタインを除いたものだが、心霊現象やエクソシスト、悪魔という誰もが知っていながら誰もそれが何だということが出来ないことが人々の恐怖心を掻き立てる。
しかし従来作られてきたものは既に飽きられてしまい、突然画面に出現するびっくりだけにとどまり、内容そのものに恐怖を抱くものは殆どない。
加えて某有名番組である「OOの知らない世界」で、ある人物が、TVでやる心霊動画はプロデューサーがいる組織レベルで作られていることを暴露した結果、すべてのTVで心霊現象なるものを取り上げることをやめたことで、人々の中に心霊現象に対する嘘と不信感を作ってしまったことが、このゴシックホラーが流行らない理由でもあると思う。
しかしながら、この作品は2018年という最近の映画である。
ゴシックの特徴は随所に出てくるが、従来との相違点は、悪魔なるものが出現した起源と、修道院で起きた出来事などが詳細に設定されている点だ。
プロットは見事に練り込まれている。
正邪の戦いというお決まりのこともしっかり描かれている。
アクション映画そのものをゴシックホラーとして描いていることが、新しいと言えるだろう。
人生とは暇つぶし。こういうのを見て楽しむのは大いに有りだと思う。
面白かった。