「天才女優の不運」天才作家の妻 40年目の真実 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
天才女優の不運
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ノーベル賞を受賞した作家。
長年支え続けてきた妻。
老夫婦には、ある秘密と真実が…。
夫の昔の作品は“別人”のように酷かった。
妻は文才があり、かつて作家を目指していた。が、女性が作家として生計を立てていく事は困難だった時代…。
そんな時、二人は出会い…。
夫は名作家と持て囃される一方、浮気性。
それを知りつつ、表に出さない妻。
が、遂に崩壊。
内心うんざりしていた夫への不平不満が爆発。
栄えある舞台の裏で、修羅場が展開。
夫となかなか作家として芽が出ない息子の確執。
さらに、思わぬ悲劇が…。
暴露話と夫婦の愛憎劇。
現在と過去が交錯、フリーライターが迫りサスペンスフルでもあるが、ありがちで安易に予想付く。
“ゴースト”になった経緯、甘んじた現状など描き込みが一歩足りず。
一見理想的な夫婦が…というのが、一見芸術性の高い人間ドラマに見えて実は犬も食わぬ夫婦喧嘩話に何だかリンクしているのが皮肉。
内容や作品的には少々平凡作だが、それをカバーしたのは演者たち。
ジョナサン・プライスやお久クリスチャン・スレイターもさることながら、
本作で7度目のオスカーノミネート。
序盤の控え目な良妻から徐々に。表情一つ、感情一つ、もはやグレン・クローズの土壇場!
これでもオスカー獲れぬとは…。
さながら、“天才女優の不運”である。
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