劇場公開日 2020年1月3日

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「主演二人の相性の良さが心地よい」ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 セッションさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0主演二人の相性の良さが心地よい

2020年6月9日
iPhoneアプリから投稿

セス・ローゲンとシャーリーズ・セロンが製作主演を務める男女逆転版『プリティ・ウーマン』は、笑いと毒っ気が散りばめられた王道のラブストーリーでした!

ちなみに、タイトルの『ロング・ショット』は「勝つ見込みの低い候補者」を意味するそうですが、おそらく「フレッドが発射するアレ」のシーンも含めたダブルミーニングと思われます。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『アトミック・ブロンド』など、百戦錬磨の女性役のイメージが強いセロンは、全編ジョークを吐きまくるローゲンとは食い合わせが悪いのでは、と疑っていたのですが、そんな心配を吹き飛ばしてくれる相性の良さを見せてくれました。

普段は政治家として気品ある佇まいを崩さない、セロン演じるシャーロットが、クスリでラリったまま「ある重要な職務」を全うする姿は爆笑必死です。

物語のキーは、ローゲン演じるフレッドの親友で、二人の恋を常に応援してくれるランスというキャラクター。彼が終盤、ずっと隠していた「ある秘密」を明かし、フレッドを激怒させますが、それを通じてフレッド自身も「自身の主張とは裏腹に、自分の中にも無自覚な差別意識があった」ことに気付くシーンは、見ている観客にも自分の差別意識について考えさせる名場面だと感じました。

ライターとしての能力を十二分に発揮し、陰からシャーロットを支えることを選ぶフレッドの姿は、社会的地位の高低にかかわらず、自分の強みを生かして人生を歩むことの尊さを教えてくれます。

実はこっそり出演しているアンディ・サーキスにもご注目を。

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