「【女性大統領候補者と"顏射男"の一途な恋。 ファーストキスの味は格差を越える。】」ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【女性大統領候補者と"顏射男"の一途な恋。 ファーストキスの味は格差を越える。】
序盤は軽いタッチのコメディかなあ、と思いながら観ていたが、国務長官シャーロット(シャーリーズ・セロン)とフレッド(セス・ローゲン)の幼い頃の関係性が描かれ、"The Cure"の"Close To Me"が流れる中、二人が急接近していく辺りから急速にテンションが上がって来る。(曲の使い方が絶妙である)
何故、この二人が恋仲になるのかも、鮮やかに分かる。上手いなあ。
[可笑しき場面は数々あれど、]
・フレッドのネオナチ潜入取材の置き土産、中途半端なハーケンクロイツのタトゥのカスタマイズした姿(面白いけれどブラックだなあ・・。)
・イケメンのカナダ首相(アレクサンダー・スカルスガルド君、新境地か?)の”本当の笑い顔”と牡蠣にむしゃぶりつく姿にドン引きするシャーロット。
・アンディ・サーキスはモーション・キャプチャー装置を付けていないと、セクハラメディア王を嬉々として演じているし・・
・気の利く強面SP達の”プロ根性”
・ええっ、貴方たちもそういう関係だったの!(私の周囲のおばさま達、爆笑である・・・。)
・能無し大統領のSNSを切っ掛けにしたアメリカ人パイロット人質事件を解決する”トンじゃっていた”シャーロットの説得の言葉・・。
・男性アンカー達の懲りないセクハラっぷり。
・フレッドとランスの民主党、共和党の諍いと、キリスト教までネタにするブラック・シュールな観ていて笑いが込み上げるシーン。
いやあ、笑わせて頂きました。
それにしても、恐るべきはシャーリーズ・セロンである。
近年は”坊主頭の戦士”やら、”ブロンドヘアーのスパイ”やら、”子育てに疲れた太り気味の中年女”を演じたりしていたが、今作では見事な美貌を披露している。凄いものである・・。
<自分の信条を曲げないことの大切さをコメディ風味に塗して描いた、気分爽やかになる作品である。>