「本人起用で伝わるもの」15時17分、パリ行き イッスィさんの映画レビュー(感想・評価)
本人起用で伝わるもの
正直今期の映画で1番期待薄だった今作
予告だけを観て、実話とのことだったのでエピソードもレビューも敢えて深く調べなくて正解だった
構成はリアルタイム、幼少期、列車に乗り込むまでの時間軸を丁寧に(ほんと無駄ではないかと思われるぐらい)描き、ラストに至るというスタイル
スペンサーとアンソニー、後から合流するアレクのあまりにも日常的なヨーロッパ観光の模様が永遠と繰り広げられる様で、意見が分かれる要因はこれかと悟った
音響関係に詳しくないので割愛するが、幼少期と現在と映し方に差があって、佐藤政道さんのNAが入ればさながら奇跡体験であるというほどにこれが映画であることを忘れていた
自分的にはナシではなかったようで、3人の観光は普通に楽しそうだったし海外未経験身からしたらあちらの日常的なホテルや景観は目新しく退屈せず観られた
ラストの展開もこれまた映画であることを忘れたというか、ザ映画的な展開はというと恐らく予告の緊張感がピークだろう
実話を基にした作品で、まさかの3人ともども本人役で出演という前代未聞の実験的な試みには感服した
その割には経験者でないかというくらい自然だったが…
幼少期、現在軸のゆるい観光模様はなくてはならない、これまでの絆と想いあってこそのラストの収束劇たと思うと感慨深い
映画を超えたドキュメンタリー体験だった
本国ではどちらかというと批判的な意見が多いようだけど、国民性というかなんというか比較的日本では受け入られている模様
公開からしばらく経っているせいなのか、上映シアターが4dxだったのは未だに謎
気付かぬ間に実は機能が仕事していた…?