「クリント・イーストウッド監督『15時17分、パリ行き』に、トランプ支持の下層化した白人中間層へのイーストウッド監督のエールを感じ取る。」15時17分、パリ行き マユキさんの映画レビュー(感想・評価)
クリント・イーストウッド監督『15時17分、パリ行き』に、トランプ支持の下層化した白人中間層へのイーストウッド監督のエールを感じ取る。
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9・11米同時多発テロのひとつの事件にスポットをあて、テロリストにハイジャックされた機内の様子をリアルに描いたポール・グリーングラス監督『ユナイテッド93』と比較してしまう。どちらも実話に基づいていて、事件関係者が出演している。『15時17分―』の高速列車タリスは無事で、『ユナイテッド―』の航空機は墜落。テロリストに立ち向かった乗客を称える点は共通。そして、どちらもテロリストの背景には言及しない。
9・11後、アメリカはアフガニスタン攻撃とイラク戦争に突入。そして、現在のアメリカは北朝鮮と緊張状態にあるトランプ政権。この映画は、イーストウッド監督のトランプ支持者の白人貧困層へのある種のエールに見えた。「勇気ある行動をとれる国民がいる、そんなアメリカは偉大だ。そんなアメリカなら、世界も称えてくれる。自信を持て」という。キャスリン・ビグロー監督『デトロイト』と並べると、アメリカ中間層の過去と現在を透かし見る思いだ。
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