「ホラー漫画の実写化として成功」ミスミソウ 隊長62さんの映画レビュー(感想・評価)
ホラー漫画の実写化として成功
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※なんとなくストーリーは把握していたが、原作は未読。再現率は評価なし。
ここ数年の日本ホラー映画ではかなり好評価。個人的には2年前に公開された「残穢」以来の良い作品だと思う。
閉鎖的な田舎町、中学卒業を控えた微妙な時期、複雑な家庭環境など、派手さはないもののしっかりとした下地がある。
そのため、日々の暮らしで醸成された悪意が“暴走”して人を死に至らしめてもやり過ぎではなく、納得できた。
そして遺族となった主人公は復讐鬼と化し、加害者を血祭りに挙げていく。ただ(日本映画の中では)激しい描写なのだが爽快感はなく、ただただ悲しさと虚しさを感じさせるので、その対比が良い味を出していた。
強いて欠点を挙げるなら、人が死ぬ描写は漫画が基なのでちょっとギャグっぽさがある。とあるシーンでは思わず噴き出してしまった。でもその欠点はそこまで気にならないぐらい、全体的な完成度は高かった。
ホラー漫画の実写化は基本的にうまくいかない印象(楳図かずおさん、伊藤潤二さん)だった。その中で予算掛けなくても丁寧に実写化できることが証明されたことも個人的には朗報だった。
原作者の別の作品(サユリ)もこのままの勢いで実写化を期待したい。
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