「ロシア版青い鳥」ラブレス seitenariさんの映画レビュー(感想・評価)
ロシア版青い鳥
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青い鳥を一所懸命探せども見つからない話。多分一生見つけられそうにない夫婦だ。
青い鳥は心の中にいる。外にはいない。
幸せは掴むものでも与えられるものでもなく、心で感ずるものだからだ。
実際この母親の母性の無さに愕然とするが、彼女の母親が更にその上を行くので、さもありなん。可哀想な子ども時代を過ごしたのだろうな。
それにしてもラストで、彼ら夫婦のこれからが示唆されるのが、印象的。
男の方は、セックスが大好きなだけのアホ男。新たに生まれた子どもには興味なく、煩い邪魔とばかりにベビーサークルに放り込む。多分全てを先送りにして無責任な父親になるのだろう。
女も新しい男との生活は上手くいってない。会話のない2人。
映画のラストはどこか困惑した、満たされない顔の母親で終わる。
特別な話ではない。
この夫婦には対話がなかった。
一方的な主張。対立。
世界には紛争戦争がなくならない。
争いは、相手が間違っていると主張することから始まる。自分は一つも間違ってない、と。
紛争戦争は、ここから始まる。
話し合いを拒否し、追い出すのだ。
映画中、何度も何度もラジオから流れるニュースが恣意的だ。
この夫婦の離婚問題も国と国の戦争、民族紛争も根っこは同じなのでは、ということか。
また最後の場面、女のジャージがロシアと書いてあるのも、何か恣意的だった。
監督のロシアという国に対しての思いがあるのだろうな。
そこまでは近くて遠い国の日本人の私には、まだ理解できない。
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