劇場公開日 2018年4月6日

「個性の強い4人の監督の競演オムニバス」クソ野郎と美しき世界 デッコさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0個性の強い4人の監督の競演オムニバス

2018年4月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

●エピソード3 太田光X草なぎ剛
映った最初の顔のアップ、声の深さにはっと心をつかまれて、観にきて良かったなあと思った。
草なぎさんと尾野真千子さんとのリアル寄り演技タイプの相性も良く、この夫婦の来歴と未来に思いを馳せることができた。
チンピラなクソ野郎だけど息子のことで後悔し妻を案じているというアンバランスが、草なぎさんの演技や体現で不思議に成立していたように思う。
太田光さんは暴走気味のあんな人(笑)だけど、きっちりまじめに撮りたい人なんだろうなあと感じた。短いのに良かったです。

●エピソード2 山内ケンジX香取慎吾
見やすかった。警察官の役者さんが、男性も女性もいい味を出していて、香取さん・セナちゃんとの演技の温度も揃っていた。
40代男性と11歳少女がいっしょに眠るシーン、香取さんの良さが出ていてよかった。
「クソ」をモチーフに、ぎりぎり汚くない寓話で、くだらないけどよくやったなと思ってしまった。
歌を喰われた、のくだりはSMAPに現実に起こったこととなぞらえてせつなく。意味を受け取っていろいろ解釈すると面白い。

●エピソード1 園子温X稲垣吾郎
良かったのは、人の苦痛に感情移入してしまうジョー役の満島真之介さん。自然なオーバー演技(矛盾w)で世界観を引っ張り、やり切っていた。
ド派手にぶちあげる映画の冒頭としての役割を果たそうとしたのだろうな、と理解する。

●エピソード4 児玉裕一X新しい地図ミュージカル
やっぱり、歌の力というか、歌を聴けるのはうれしい。
特にエピソード2を見たあとだと楽しそうに全力で歌いまくる「慎吾ちゃん」には笑顔になる。
ミュージカルに挟む形で、各エピソードのラスト補完を見せるのもオムニバスならでは。

エンドロールの、稲垣さん草なぎさんの曲もとても良かった。
アマゾンデジタルミュージックでサントラが買えるが、いい音響と映像でもう一度聞きに、映画館に行きたいと思う。

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デッコ