「ヒスパニックなミステリー」黒い箱のアリス いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒスパニックなミステリー
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スペイン作品なのだが、なかなかこれが面白い構成となっている。プロット自体はそんなに斬新なモノではないのだが、でも所謂SFに於けるパラドックスを易々と超えてしまう辺りがラテン系のノリなのだろうか?何のことはない、自分が過去に戻って、その時の自分を消してしまえばいいという発想は、まぁ、日本では一寸幼稚なのだが、でもこういう発想も悪くはないと感じさせる展開ではある。ただ、一寸冗長なカットが多く、特に主人公家族が住んでいる現在アート的邸宅のシンメトリックな佇まいを多く挿入している部分は、何か暗喩的なプレゼンスで、解釈が必要なのだろうが自分にはサッパリ不明である。かなり極小に絞られたBGMや、殺害の際の唐突さとそれとは真逆の無音、そしてだからこそ効果的なのか、黒い箱(タイムマシーン)のCGに対応する効果音の不気味さに驚かされる。どうでもいいラノベ原作のショ○ベンアイドル主演の邦画よりも余程観る価値のある、秀逸な展開の作品である。
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