「コナン映画よ、本当にそれでいいのか」名探偵コナン ゼロの執行人 しののめさんの映画レビュー(感想・評価)
コナン映画よ、本当にそれでいいのか
全体的なテンポの悪さ、ゲスト声優弁護士の長セリフでの説明、前半の地味さ、後半の無理やりさ、各キャラクターの個性を潰していくような作り……。
ファンタジーって言われればそれまでだけど、これを見た公安職の人はどう思っただろうかと思わずにはいられない無理矢理感の溢れる作品だったと思います。
蘭ちゃんはいないと分かってる新一くんに頼りすぎでは?君そんな子だったか?「お父さんが逮捕されちゃう」と新一に泣きつくような弱い子だったか。貴女はナイトバロンの事件の時に何を学んだの?
小五郎のおっちゃん、貴方は「大丈夫だ、俺から離れるな」などという無根拠な言葉を並べて本当に家族を守れるのか?かっこよさが皆無だった。あれで妃さんがキュンとしたのも正直よくわからなかったです。
脚本が「相棒」「科捜研の女」などのドラマを手掛けた人ということで
「なんか映画っぽくないよね」
という作りや、全体的な画面の暗さ、ワクワクしなさはそういうことかと。
もうそろそろ自分のやりたいことやってもいいんじゃないかな?とスケベ心が出たのではと思わざるを得ないほど力を入れているところと、力を入れるべきところが間違っている気がします。
前半の話の進まなさで萎え、犯人の動機うっす……で萎え、ドローン(笑)で萎え、有り得ないカーアクションで萎え、車の扱いで萎え、全然正義じゃないじゃん……って思ったとこで、
「毛利小五郎を巻き込めば君が本気を出してくれると思ったから」
……はい?
そんなことで民間人を巻き込んだ挙句起訴までさせようとする……?
コナンくん「買い被りすぎだよ」
……いやいやいやいやえっ、何?なんでこんなことをするんだ!!!!の理由がそれだったってことでは?怒らない理由は何……
そしてこのシーンに相応しくない訳の分からないコナンの問いかけ、そして降谷の答え、
置いてけぼり感がすごかったです……。
正義とはなんだったのか、降谷の守りたい日本、国家とはなんだったのか、全くわかりませんでした。
平気で「違法捜査は公安のお得意」なんていう人に日本の安全は任せたくないと思う。
キャラにこういうセリフを言わせたい、がために作られた脚本であるのならばもうガッカリです……。初期のコナン映画に戻ってほしい、どうしてこうなってしまったんだ?と思わざるを得ません。興行収入を気にしすぎなのではと邪推されても仕方が無い。
安室さんのファンにキャーキャー言ってもらいたいだけの作品。これは名探偵コナンではない。スピンオフ作品です。犯人が分かる所までの2時間スペシャルくらいでよかったのではないでしょうか……。
真実VS正義、どこにあったんでしょうか……
ゼロの執行人、何を執行したんでしょうか……
トリプルフェイス #とは
何を言いたいかわからない、キャラ萌え、脚本は趣味に走った、主題歌は歌詞を寄せすぎてるのに作品に合ってない、
良かったところを見つけるのが難しい作品になりました。各国首脳が集まる作りたての施設を、「ガス栓を遠隔操作でいじられて爆破される危険性がある」と分かるのも遅すぎるし、簡単に爆破されるような組織に公安を語ってほしくない、なんだか何を見せられたんだろう……と考え込んでしまうような作品でした。
エンディング後のお決まりも「なんの感情もない」慣例で続けるならすっぱりやめてみては……。コケさせるわけでも、考えさせる訳でもない。
なんか一言で言えば残念な感じだったと思います。
横から失礼します。5000字まで書いて良いシステムになっているのですから、長過ぎると言われる筋合いはないと思います。長過ぎるのが嫌なら途中で読むのを打ち切ればいいだけの話です。
動機は薄いですね…ただまぁ、些細な動機でも人は何を起こすか知れたもんじゃないのでそこは別にご大層な動機がなくてもいいのではと思います。
真実は言葉通り真相究明のことですが、正義というのは人それぞれ違って、安室の正義というのは公正さより違法捜査をしたり偽りの犯人をあげてでも本来の犯人を突き止めるまでは事件を事故で処理したくないというものなのでしょう。まぁ協力者の橘弁護士には無罪にするように公安は言ってたようですがね…
現実での冤罪のことを少し頭に思い浮かべてしまいました。
映画ならではの演出もありますし、アクションは別に派手でもいいと私は思います。勿論昔の映画もとても好きですが、今の映画も好きです。そして毎年楽しませてもらってます。
映画はとても面白かったと思う派ですが、主題歌に関してはしののめさんに賛成です。