「既視感も魅力のひとつ」移動都市 モータル・エンジン セロファンさんの映画レビュー(感想・評価)
既視感も魅力のひとつ
原作未読です。
既視感はありましたが、私は最後まで夢中になれました。
冒頭、巨大都市ロンドンがハウルの城を実写化したみたいな小さな都市を呑み込む場面は大迫力でした。草原の小動物が猛獣に捕まって飲み込まれていくかのような光景でしたが、実際は小動物ではなく、人の住む都市。その様子を歓声を上げながら興奮気味に見るロンドンの市民達。大迫力ではありましたがこの市民達に怖さ感じました。目の前の出来事に一喜一憂するだけで、何も学ぼうとしない彼ら。そういう人達が過ちを繰り返すのだと、この冒険ファンタジーは伝えているように思いました。
登場人物達もそれぞれに魅力的ですが、中でもシュライクは印象的でした。その見た目から悪い奴だと決めつけていましたが彼にも哀しい過去がありました。ヘスターとの思い出が走馬燈のように蘇るシーンは泣きそうになりました。
要所要所で様々な映画のシーンを思い起こしたりもしましたが、それも含めてファンタジーの世界を堪能できました。
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