「海外小説のような余韻」ミッション・ワイルド bikkeさんの映画レビュー(感想・評価)
海外小説のような余韻
3人の子どもを病気で失った女性、男の子を産むことを強要される女性、飢饉と疫病で絶望する女性。西部の厳しい暮らしで気がふれた3人の女性を遠い街の教会まで送り届けるという、夫たちさえ尻込みする使命に手を挙げる彼女は、自立した強い女性なのに誰でもいい誰かと所帯を持つことに焦がれている。
箱馬車で出発して早々にお尋ね者の男を助け、
一緒に旅を続けることになるが、
彼女はその男にも所帯を持たないかと持ちかける。
そして断られた夜に一度だけでも抱かれてみたいと関係を持ち、翌朝首をつっているのが見つかるのだ。なんという展開だろう。強く、情も深い彼女は、女として選ばれることができない自分に絶望したのだ。
指名を引き継ぎ、ついには完遂する男。
得た報奨金で墓碑を買うが、それも渡し船から川に流れされいく。
海外小説の読後感と似ているのは、どうしてだろう。
良き行いゆえのハッピーエンドでも、何かを成し遂げたことで報われるわけでもないストーリーが、妙に心に残るのだ。
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