「『メカゴジラ』という存在との戦い」GODZILLA 決戦機動増殖都市 よもぎさんの映画レビュー(感想・評価)
『メカゴジラ』という存在との戦い
第一章のラストで『決戦機動増殖都市』の副題を見た時には、またえらくオサレな単語を造ったもんだなと思ったものですが、実際に決戦機動増殖都市を見てみると、まさに名は体を現すと言える存在でした。あれは決戦機動増殖都市としか呼びようが無く、実際にあれが存在していたとしたら間違いなく決戦機動増殖都市という名前が付き、決戦機動増殖都市が辞書に乗るレベルで決戦機動増殖都市でした。
そんな本作『GODZILLA 決戦機動増殖都市』ですが、手元にある物資・人員・戦力だけで何とかして超常生命体であるゴジラに有効打を与えようと模索していた一章と異なり、本作では豊富過ぎる戦力をもってゴジラに挑みます。
主人からの命令を遂行するため、2万年という膨大な時間を進化し続けてきた『メカゴジラ』の潜在的な力はゴジラを上回っているようにも思われましたが、それを扱う側の人型種族にも様々な価値観や挟持が有ります。
結果として相容れない2つの意見は交わる事なく『メカゴジラ』は敗北してしまいました。
一章では根本的に力が足りなくて勝てない展開だったのに対し、力が有りすぎても勝てないという二章の描写は中々面白かったですね。
「そんな装備で大丈夫か?」状態だった一章から二章序盤ですが、『メカゴジラ』が見つかってからの「一番いいのを頼む」と言わんばかりの戦力の充足っぷりは男の浪漫をくすぐります。
予告の段階ではメカゴジラのオマケ程度だろうと思っていたヴァルチャーがカッコいいのなんの。完全にスーパーロボットアニメで主人公の乗る機体です。
しかしそれを上回るゴジラ・アースのチートっぷり。三部作の二作目なんかで負けるわけにはいかないと言わんばかり。
本作世界において人類側に遺されていた最強戦力が消えた上に、三章「星を喰う者」予告ではゴジラ作品における最強の敵怪獣と言えるアイツの存在も匂わせられ、地球の守護神様も卵の状態で残っています。
果たして人類の力を遥かに超越した三つ巴が展開されそうな状況で「人として」の勝利を収める余地はあるのか。