「のけ反り引っくり返る面白さ」ユージュアル・ネイバー ニックルさんの映画レビュー(感想・評価)
のけ反り引っくり返る面白さ
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こちらの予想の二歩三歩と裏をかいてくれるサスペンスミステリー。
母親の毒親、というかもはや人間を通り越して神を侵す領域にいる感じと父親の愚鈍というか、普通というか、嫁に引っ張られて変になってる感じもありつつ...抜群の対比であり、その対比が後半のサスペンスに重要になってくるという。
ここ、重要な部分のネタバレになるけども、とにかくサマンサモートン演じる母親のサイコっぷりが素晴らしい。尚且つ、そのサイコさというのが誰しもが持つ子を想う気持ちが過剰に肥大化した結果でもあるというのが切ない。
なんだけど、自分の子供の延命のために新生児を誘拐してきて臓器移植のために自分の息子として育ててるというのは、悪気がない所でマッドサイエンティスト。
息子も、そんな母親だと半ば知っていても母親を守ろうとするために一旦嘘をつくのだから、これまた切ない。
サスペンスミステリーとしての具も非常に良くできているが、この辺りの人間の無言のうちの行動、人間らしさをこの作り手はとても良く表現していると思う。
マイケルシャノンが別の女と寝て、それを嫁にふわっと打ち明けてしまう、あの小物感、と同時にサイコなだけではない夫婦の行き詰まり感も忘れ難い。
一点突っ込んでおくと、地下室に自分の息子と誘拐した少年の名札を貼ってあるというのは無理くりすぎるだろと思うんだけど、それがないとこの展開の早さは生まれなかった気もする。
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