「本来なら重くなりそうなテーマも軽妙で面白かった。」ロープ 戦場の生命線 m@yu-chan-nelさんの映画レビュー(感想・評価)
本来なら重くなりそうなテーマも軽妙で面白かった。
井戸の中に浮いている死体を回収するために、ロープで引き上げていたけれど、そのロープが切れてしまい、代わりのロープを調達するまでの間に起こる出来事を描いた作品。
「国境なき水と衛生管理団」という 4人で構成されたグループで活動する、マンブルゥ(ベニチオ・デル・トロ)、ビー(ティム・ロビンス)、ソフィ(メラニー・ティエリー)と、現地人通訳ダミール。
生命線の一つである飲み水の汚染問題を解決するべく 井戸の中の死体を引き上げたいけれど、その為のロープがなかなか調達出来ない。
途中、イジメられていたニコラと出会い そのニコラの家にあるというロープを取りに行くが…。
戦争(作品の中では停戦直後)にかこつけて、住民に水を売る為に 井戸の中に死体を投げ込む輩がいたり、動物の死体を置いて道を塞ぎ その脇に地雷を仕掛けたり、ロープがあるのに売ってくれない店主が居たり…マンブルゥ達は命懸けで活動している訳だけど、これがなかなか上手く行かない。
たった一本のロープさえあればその先に進むことが出来るのに…というもどかしさや、戦争が生み出す 様々な意味での被害者達に対して、虚しさを感じた。
ニコラが 大切なボールを手放してしまった理由や、この苦しい状況の中、マンブルゥがニコラに 何も言わずに渡したお金に込められた思いを想像すると、ニコラが将来 どんな大人になるのか…マンブルゥ達の様な大人になってくれることを望まずには居られなかった。
それと、作品中で流れる楽曲が良かったです。
Eurythmics の楽曲をカヴァーした Marilyn Mansonの「Sweet Dreams (Are Made Of This)」 が耳から離れなかった〜。
最後のオチも、なんとも…良かったです(笑)。