「深夜枠ドラマ」ピンカートンに会いにいく いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
深夜枠ドラマ
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本来ならば映画では制作されないであろう内容とバジェットを、昨今のテレビ局の予算縮小の中であぶれたモノが流れ着いた感がある作品。別に決して悪い作品ではないのだが、でもスクリーンで観る程の価値かと言えば返答に困る。実際上映後の監督&主役の舞台挨拶の中でも、何とかアイデアを引出して作ったとのこと、オリジナル脚本とはいえ、やっつけ感とまでは言わないが、ドラマとしての広がりは無い。但し、華はなくても、流石バイプレイヤーが演技しているのと、編集の繋げ方やギャグの挿入具合等、しっかりとプロがそこには存在してる展開となっている。間の詰め方、同時進行的に進んでいく過去と現在の並行的展開。最初のカットである、ファミレスでのコーヒー置き換えと、最後の居酒屋カットのピザ置き換えをペアとして編集させている所も、テレビ的な演出方法でとても観やすく、肩肘張らない内容である。大人チームと子供チームのそれぞれのほのぼのとした雰囲気、二人のライバルであり親友だったバランスの怪しい関係が、まるでお互い鏡みたいに、その後の経緯を辿る件、しかし決定的に違った所である、『枕』という経験での、何ともやりきれない想い、その辺りの演出をきちんと描けている点は素晴らしいと感じる。元マネに二人で鉄槌を下す件や、仲直りを妄想して木に抱きつくシーン等、寒さ、痛々しさ、笑いと切なさが溢れるハートウォーミング作品、しかし、これはテレビの夜中枠がピッタリなんだよなぁ・・・
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