「上層部には何の影響もない作品」カメラを止めるな! とけいさんの映画レビュー(感想・評価)
上層部には何の影響もない作品
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ワンカットで撮られたゾンビ映画、という前半部が、後半部のさまざまな伏線になっているのは斬新だと素直に思った。
ただ、それの収まりが良すぎた、なんというか、良い子の映画に感じられたのは何故だろうか。
色々なトラブルに主人公が巻き込まれる楽しさ、それを克服する家族の力、は面白い。
でも、あの製作陣の上層部のおばさん(どんぐりさんだっけ…)に、何の影響もない映像を主人公が作ったのだと思うと、映画による、「ひとときの」青春映画、家族映画に感じてしまう。
きっとこの後も、この劇中の監督主人公は、上層部に逆らえない形で映像を作り続けるのだと感じた。
自分も少しだけ学生映画を作ったことがあるので分かることだが、意外と現場の「状況」が、作品構成上に影響を及ぼすことがあることを知っている。
前述のことから感じられるのは、製作陣への、監督(今作の)の配慮だと思う。
何が言いたいかと言うと、映画の力とか、そういうことを述べるならば、何故に腐った上層部まで影響を及ぼすような、(破壊的な)映画にしなかったのだろう、と、かなりそれが心残りな映画だった。
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