「同じ劇中劇が、2回」カメラを止めるな! 辛口批評家さんの映画レビュー(感想・評価)
同じ劇中劇が、2回
どうやら、この映画の売りは冒頭の37分間、ワンカットで撮影した劇中劇ドラマのようだ。
そうは言っても「ワンカットだから、どうした?」となる。
売りは売りとしていいが、そもそもの「内容がどうか?」が一番肝心であって、内容がいいのならば特にワンカットで撮る必要など一切無く。
そうして見ると、昔どこかで見た事のある「ゾンビドラマ」でしかなく、"ワンカット"を除くと後は何も残らない。
さらに、普通ならばDVDのおまけとして付けられる「メイキング映像」を堂々と後半で流している。
メイキング映像など、まず見ない私には「時間の浪費」でしかなかった。
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改めて、この映画について考えると、この映画を高く評価する人は題名の「カメラを止めるな」を重要視しているようだ。
つまり、カメラを止めずにワンカット撮影。
しかし、最低でも2台以上のカメラは存在するので、その切り替え時にカメラを止めたとしてもまったく気づかれないだろうし、今の編集テクニックならば、たとえカメラ1台だとしてもどうにでもなる。
もしこれが「実はカメラを止めていました」となったら、果たしてどれぐらいの批判の嵐になるだろう。
これこそが、この映画の安っぽい評価である事に間違いはないだろう。
後半のメイキング映像でも、本当に酔っ払って出演していたなんてあり得ないし、最後のクレーンを使わずに人間やぐらで撮影したのも、どれだけ本当か疑わしい。
結局、メイキング映像自体、そう信じられるものじゃなく、それをまったく疑わない人だけが高評価を与えているのだろう。