「この映画を見逃すな!」カメラを止めるな! 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
この映画を見逃すな!
都内たった2館で公開がスタート。
それが今後、47都道府県150館規模へ拡大公開。
とにかく見た人から、大評判大絶賛の声、声、声…。
今年の邦画1番との声も。
ちょっと気になってはいたが、こうなってくるといつもながらミーハー心が高まってくる。
遂に我が県でも公開スタート!
早速、電車に乗って隣町の映画館まで行ってきた!
確かにこの映画、面白い!
あらすじは…
廃墟で低予算のゾンビ映画を撮っている自主映画撮影クルー。
そこは曰く付きの場所で、本物のゾンビに襲われる…。
作品自体も低予算の自主製作映画なので、まあ安っぽい。
粗だらけで、拙い、チープなC級ゾンビ・ホラー。
…でも、ここで見るのを止めるな!
とにかく本作、何の事前情報や予備知識ナシで見た方が面白い!
かく言う自分も、ゾンビ映画風に始まって、意外な構成になるとしか情報を仕入れないで見た。
2段構成。
この映画は2度始まる。
その謳い文句に偽りは無い。
実を言うと、1幕目はひょっとしてこういう事なんじゃないかなぁ…と、うっすら察し付いたが、2幕目からとそれからの展開には唸らされた。
この2幕目はきっと、監督の実体験も織り込まれてるんだろうなぁ、と。
個人的に本作は、3段構成だと思う。
3幕目は、1幕目がもう一度始まる。
で、ここがね、とにかく面白い! って言うか、笑える!
劇場あちこちから笑いの声。自分も劇場で久々に声に出して笑った。
それでいて、1幕目の時違和感を覚えた粗さ、拙さ、チープさがここで活きてくる。
いやはや、見事!
監督もスタッフもキャストも全くの無名。
映画専門学校のワークショップの集まりの熱演。
何より、上田慎一郎監督の演出力、巧みな脚本、大胆な構成…いずれも脱帽!
上田慎一郎。よし、名前覚えた!
本当にこの映画、他は何も言えない。言いたくても言えない。
レビューもひょっとしたらちょっとネタバレしちゃってるかもしれない(念の為ネタバレチェック)。
なので、とにかく見て欲しい。
映画好きなら、もし近くで上映されたのなら、是非劇場でご自身の目で!
絶対、見て損ナシ!
やっぱり映画というのは、話題性や番宣じゃない。
作品そのものの面白さ、オリジナリティー、大胆なチャレンジ力だ。
そんな面白い映画を見た後は、誰もが自然と“いい笑顔”になれる。
作り手側も。観客も。
そんな当たり前の事を改めて思わせてくれる。
この新たな才能に感心して、笑えて、ワクワクウキウキ興奮して、感動もして、痛快爽快!
この映画を見逃すな!