「バックトゥザフューチャー超え」カメラを止めるな! エイブルさんの映画レビュー(感想・評価)
バックトゥザフューチャー超え
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☆良かったところ☆
・観客の態度は、図らずも批評家的である。それは、当サイトを利用している段階で前提。とにかく映画作家は、我々観客を、知己に富み厳格なる批評家として丁重に、あるいは挑戦的に扱うべきである。
その厳しい批評眼が見つけた不満「このシーンつまらない」等断片を、まさか本作は、ストーリーの背骨にしている。前半までの観客の苦笑やあくびが、後半、爆笑や感嘆に変わり、背骨が動くごとく力強く映画が動く。
こんな映画他にあるだろうか。(あるとすれば、「バックトゥザフューチャー、パート1」から「パート2」へのあの流れ?)
・知己に富んだ批評家たる我ら観客は、出し抜かれる。大いに出し抜かれるが、裏ストーリー設定がごくごく切実な話なので、ハートウォーミングな方向で終われる。この方向の根本にあるらしき作者の映画愛、ひしと伝わってくる。
・ワンシーンワンカットの緊張感を味わった後、中盤からは今度はカットがスムーズになされ、編集技術の面白さに魅せられる。
映画作法論にはワンシーンワンカット礼賛の向きがどうしてもあるが、そのド根性技術がもたらす、緊張感(メリット)と倦怠感(デメリット)を悪利用、やってのける神経と手管にしびれた。
★悪かったところ★
・この仕掛けは、成功しているにしても、作為性が過ぎる。
その理知は、絶句するほど作為的。二度と真似してはいけないことをやった。
・研修として作られたのかと思うが、そのせいでかどうしても、あらゆる演技が粗い。が、この映画の評価にそんなこと持ち出すのはヤボいようだ。
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