劇場公開日 2018年11月3日

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「十年後の日本という設定で5人の新人監督が撮ったオムニバス映画。 そ...」十年 Ten Years Japan SeriesEさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5十年後の日本という設定で5人の新人監督が撮ったオムニバス映画。 そ...

2018年11月15日
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鑑賞方法:映画館

十年後の日本という設定で5人の新人監督が撮ったオムニバス映画。
その最初の早川千絵監督作品「PLAN 75」
この作品を観た時、とても強い衝撃を受けた。
なぜなら、こんなにもド直球な社会派映画を久しくみていなかったからだ。
ある意味、映像体験としても新鮮だった。

超高齢化が進んだ十年後の日本社会。そこに生きる老人を通じて、命の価値、生きることの意義、意味とは何か?という重いテーマに果敢に挑んでいる。
昨今の個別的な尊厳が軽視される社会風潮に対して、鋭い一石を投じる作品だったと思う。

映画のラストシーン。
殺伐とした広い空間に整然と並ぶベッド。
ゆらゆらとたなびく吊るされた白いカーテン。
その背後で唸る不気味なモーター音。
崩壊した旧ソ連の全体主義、或は、ナチズムの連想を呼び起こす。不気味でもあり、かつ美しくもあるシーン。
このラストを撮った早川千絵監督に、ただならぬ才能とセンスを感じた。

「PLAN 75」の長編を期待したい。

SeriesE